掲載日 : [23-03-03] 照会数 : 1257
韓国にある父名義の土地の相続について
Q:私は日本に帰化した在日3世です。先日、10数年ぶりに韓国の田舎を訪れたところ、父名義の土地があることが判りました。父は既に10数年前に亡くなっています。この場合、相続登記はどうなるのでしょうか?また、日本籍である私に名義を替えることができますか?
A:被相続人が死亡後、10数年も経って土地名義がそのままになっているケースは稀で、相談者は幸運でした。多くの場合、何らかの手段により、親族または他人名義に変更されてしまっている事例が殆どです。ご質問の件は、亡父名義の登記簿が残っていて良かったですね。日本国籍でも名義書換は可能です。
●相続登記に関して
相続が発生した場合、相続人が一定期間内に相続放棄の申述を家庭裁判所にしない限り、相続の発生(父の死亡)と同時に相続人は被相続人の財産を取得し、死亡後の経過年数に拘わらず相続登記は可能です。韓国の非居住者が相続を受け、不動産を登記申請する場合は、住民登録番号がありませんから、まず不動産登記用登録番号の付与申請をしなければなりません。登録番号付与申請は、滞在地の出入国管理事務所長に行いますが、国内に滞在地がない場合にはソウル中央地方法院登記課に申請するようになっています。登記申請の必要書類は次の通りです。
①相続による所有権登記申請書、②被相続人及び相続人を証明する書類(家族関係登録事項別証明書、除籍謄本等)、③登録税納税証明書、④土地・建築物台帳、⑤印鑑証明書(遺産分割協議の場合は全員分)です。相続人が日本国籍取得者の場合は、相続人を証明する書類は、韓国の除籍謄本等と日本の除籍謄本・戸籍謄本等となります。
●外国籍者の土地所持に関して
以前は外国人や外国法人の大韓民国内での土地取得を厳しく制限していましたが、1998年に「外国人土地法」が改正されました。
外国人または外国法人も、軍事施設保護区域など外国人の土地取得を特別に制限する必要がある場合を除いて、「外国人土地法」による土地取得申告を行えば韓国内の土地を取得できるようになりました。
当該土地を取得した日から6ヶ月以内に土地取得申告書に必要書類を添付し、土地所在地を管轄する市庁・郡庁または区庁の地籍課に提出すれば、審査後申告済(完了)証の交付を受けることができます。その際の必要書類は、①所定の土地取得申告書、②土地登記簿謄本、③被相続人及び相続人証明書等の書類です。