北韓の人権問題に関わる日本のNGO8団体は13日、都内で緊急集会を開き、韓国で北韓の人権侵害状況を精力的に告発してきた脱北者人権活動家への脅迫が続いていることに強く抗議する共同声明を発表した。
集会には北韓当局から実際に「殺害」を予告された自由北韓放送の金聖玟代表、元統一戦線部幹部でニューフォーカスの張真晟代表、ニューコリア女性連合(脱北者女性たちの会)の李ソヨン代表が出席。それぞれ「殺すなら殺せ!北韓民主化運動の火がさらに燃えさかるだろう」と訴えた。
自由北韓放送の金代表によれば、脱北者人権活動家を名指しで誹謗しているのは、北韓のプロパガンダ媒体「わが民族同士」と労働新聞。さらには総連の機関紙、朝鮮新報も加担している。金代表は「東京にそのような新聞があっていいのか。皆さんの支援があれば、廃刊まで戦い続ける覚悟だ」と怒りをあらわにした。ニューフォーカスの張代表も、「北韓に核があるならば、われわれ脱北者には真実がある。これからも北の真実を外部に伝えるだけ」と決意を新たにしていた。
脅迫はニューコリア女性連合の会員300人にも及ぶ。李代表によれば、北に残してきた実子を使い、「将軍は許すと言っている。戻ってきて」と母性愛に訴えるのだという。「子どもを人質にしてまで脅迫するのは北韓のあせりの証し。それほど弱まっている」と断言した。
北韓の14号政治犯収容所で生まれ育ち脱北した申東赫氏も、政治犯収容所にいるはずの実の父親から「息子よ、祖国に帰って来い」との電話を受けた。「てっきり殺されている」と思っていただけにショックを受けたという。自らの発言が結果的に父親を死に追いやるのではないかとの不安からだ。
北韓から「逮捕状」が出ている北朝鮮難民救援基金の加藤博理事長は、「北の苦境はわれわれにとって上げ潮。さらに大きな動きを起こそう。いま手綱を緩めてはならない」と自らにも言い聞かせるように訴えた。
(2014.12.24 民団新聞)