ソバンの使い方提案
在日韓国人3世の趙秀晉さんが、オーナーを務める韓国インテリア&薬膳茶のギャラリー「インヤンレスト(陰陽+Rest)」(東京・目黒区)で13日から「ソバンのある暮らし展」が開かれる。今年9月、朝鮮時代の家具をメーンに陶器や小物などを展示、販売するギャラリーとしてオープン。従来の骨董店と異なるのは、これらの商品を生活の一部に取り入れてもらいたいと、インテリアとして提案していることだ。同展でもソバン(小盤)の楽しい使い方の提案をするという。
9月のオープン以来、韓国の文化や骨董品の好きな人たちが、インスタグラムやSNSを通じて訪れている。
地下1階のギャラリーには、以前、趙さんが訪ねた韓国の世宗美術館で一目で気に入り、直接オファーして展示会を開いた若手漆画家、チョン・グァンボクさんの伝統とモダンが調和した作品や現在、韓国でも入手困難な白磁作家、キム・ドンジュンさんの作品も陳列されている。
骨董品は製造されてから100年以上経ったものを指すが、それ以下でも優品であれば取り扱う。「100年経てば骨董になる。大事に愛情をかけて代々、使っていってほしい」
趙さんは広島県出身。現在、ギャラリーが入居するビル1階は、趙さんが経営する薬局と訪問看護の事務所として使っている。地下の入居者が引っ越し、ギャラリーを開くのにちょうどいいスペースだと思ったのが、オープンのきっかけ。
日本だけでなく、韓国の知人らも後押ししてくれた。「話がトントン拍子に進んだ。それまでは自分のコレクションのために古美術の勉強をしてきたが、ついに提供する立場になった」
趙さんは22年前から舞踊家である趙寿玉さんの下で韓国舞踊を習っている。韓国的なものに触れたいと思ったからだ。指導を受ける過程で興味を持ったのは舞踊衣装、そして装飾品、家具や食器にまで対象が広がっていく。
10年ほど前から、韓国や日本の古美術ギャラリーに足を運び「オーナーたちと交流を深めるうちに情報交換をするようになった」
同展で展示するソバンは、韓国で古くから用いられてきた一人用の膳卓だが、おぼんや花台などの役割も果たしてきたという。「ソバンも女性が好きなアイテム。新しいものから100年以上のものもお見せします」
今後、ギャラリーを癒しの場にしていきたいというのが夢。薬膳茶が飲める喫茶スペースや書籍コーナー「インヤン文庫」を設けた。物品を販売するだけでなく、韓国文化を共有するためにポジャギ教室も開いた。
「ここに来ると生活に取り入れやすい素敵なアイテムがあると、お客様に思っていただけるように、発信を続けていきたい」。趙さんはそう話す。
「ソバンのある暮らし展」 13日から29日まで。平日13~19時、土日祝11~19時。木曜休業。 <特別企画>李泰文トークショー「韓国の生活道具」&ピナリ演奏は12月22日15時開催。参加費1500円(1ドリンク付)、要予約。トークショーの申し込みは、Eメール(yinyang.gakugei@gmail.com)。 詳細はホームページ(
http://yinyangrest.wixsite.com/mysite)。平日13~18時、土日祝11~17時。
(2019.12.13 民団新聞)