掲載日 : [2023-02-15] 照会数 : 1172
韓日次世代2作家 共に歩む「徒然」展
[ 李禹煥作の「ジークレー」と河正雄さん ]
河正雄コレクション50点 韓国文化院
河正雄コレクション‐江上越・河明求「徒然(つれづれ)」展が8日、東京・新宿の韓国文化院で始まった。「徒然」は江上越さんと河明求さんという韓日2人の次世代作家に対して、「仲間として一緒に行動し、歩もう」というメッセージを込めた造語。河さんが2021、22年にかけてコレクションに加えた2人の作品42点を中心に50点を出品した。
江上越さんは中国、ヨーロッパを中心に活躍する現代アート作家。河さんから提供された写真をもとに、その半生を誕生時から遡って時系列で20点の肖像画として制作した。作品名は「コミュニケーション」。
河さんが20年、江上さんの作品を初めて見て大胆な筆力からその才能を見抜き、作品プロジェクトを依頼したもの。江川さん自身、「河さんの生きたどの時代の顔も等しく輝いている」と快諾。ニューヨークに断つ前の短期間で仕上げた。
もう一人の陶芸作家、河明求さんとは18年、韓国文化院ギャラリーM1で作品と出会った。特に興味と関心を引いたのは、韓国と日本の持つ土地の記憶をテーマにしたトッケビシリーズだった。
一般名称でいえば「妖怪」だが、ユーモアや優しさが感じられる。作品の一つには「私が大好きな食べものは悪い権力者です」との説明があった。
このほか、河正雄コレクションの中から李禹煥作の「ジークレー」など貴重な4点を展示している。なかでも李禹煥さんの作品は100号でいまや3億円はくだらないとされる。
河さんは一時は画家を夢見た在日2世。25歳のころから事業で得たお金で全和凰の「弥勒菩薩」を皮切りに在日同胞作家の美術作品の蒐集を始めた。55年かけて蒐集した1万2000余点の美術作品は、光州市立美術館をはじめ霊岩郡河正雄美術館、埼玉県立近代美術館、秋田県立仙北市角館町平福記念美術館などに寄贈してきた。
21日まで10~17時、ギャラリーMIで。日曜・祝日は休館。
(2023.2.15民団新聞)