掲載日 : [2022-02-01] 照会数 : 6271
「韓国のお正月風景」をオンライン配信…韓国文化院
[ 先祖への感謝の気持ちを込めた茶礼 ] [ チョリは米をとぐ際に異物を除く道具。家にかけておくと幸福が訪れるという ] [ 小銭を布で包み足で蹴って遊ぶチェギチャギ ] [ 4本の木の棒を投げて駒を進めるゲームのユンノリ ]
ユーチューブチャンネルで
伝統の韓服を着て儀式、奥ゆかしく
今年のソルラル(旧正月)は2月1日。韓国文化院(東京・新宿区)は、オンラインお正月体験イベント「韓国のお正月の風景2022」を実施。同院の公式ユーチューブチャンネルでは韓国のお正月を紹介する動画、ペシテンギン(女の子の髪飾り)の折り紙とヘアーアクセサリー作りの動画、トック(雑煮)の作り方動画を配信している。一部を紹介する。
カレトック(うるち米でできた棒状の餅)を切って入れるトックは、ソルラルに食べる節句料理。トックの主材料で、韓国では白くて長い餅を作ってソルラルに備える。特にカレトックを長くして作るのは、家族の無病長寿を祈るという意味がある。
韓国のソルラルは西暦488年、新羅21代、炤知王(ソジワン)の時に祭祀を行って心身を気遣ったという『三国遺事』の記録が残っているほど、その由来は古いといえる。
伝統的にこの日は、先祖を崇拝する神聖な時間である。ソルラルは家族と過ごすために多くの人たちが帰省する。
ソルラルの前日の面白い風習の一つに、夜も眠らない鬼神が靴を履いていってしまうという伝説があるため、靴を部屋に入れて眠ることもある。
韓国人はソルラルの朝、「ソルビム」という新しい韓服を着て、祖父母や両親に健康を祈る新年のあいさつ「歳拝(セベ)」を行う。子どもたちはお年玉「セベトン」をもらえることを楽しみにしている。
韓国には、先祖の命日に追慕の意味で行う儀式の「祭祀(チェサ)」があるが、ソルラルや秋夕(チュソク)といった名節には「茶礼(タレ)」という先祖供養の儀式を行う。
ソルラルには4代の先祖を祀る。祭壇にはトックや果物、魚や肉などのジョン類、オジョ(祭礼用に焼いた魚)、串焼き、ナムル、汁物などを供え、先祖への感謝の気持ちを込めた茶礼を行う。
茶礼の後には飲福(ウンボク)という風習がある。これは先祖に供えた酒を飲んで徳を受け継ぐという意味がある。
そして、新年の幸せと幸運を祈る縁起物である福笊籬(ポクチョリ)は、福を呼び込むとされ、玄関や家に飾る。そのためポクチョリを買う時は、値切ったり返品したりしないという。
ソルラルの茶礼と歳拝を終えた家族は故宮や博物館、遊園地などに出かける。ソルラルには各地で無料開放や特別イベントが開かれる。最近は連休を利用して、家族旅行に出かける人たちも増えている。
ソルラルには韓国人が楽しむ伝統遊戯がある。チェギチャギは、小銭を紙や布で包み、足で蹴り上げる遊び。ユンノリはユッと呼ばれる4本の木の棒を投げて、駒を進めるゲームだ。もう一つの遊びに凧あげがある。悪い運のある人は凧に名前を書いて、遠くへ飛ばせたら幸運が訪れると言われている。
(2022.02.02 民団新聞)