米国防総省主催
原発事故のような人間が近づけない災害現場で活動するロボット。このコンテストの決勝が5、6の2日間、米国カリフォルニア州南部ポモナで開かれ、韓国科学技術院(KAIST)チームの「ヒューボ」が優勝した。
この大会は2011年東日本大震災による福島原発事故のような極限の災害状況で、人間に代わって活動する災害対応ロボットが必要だという考えから始まった。
米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が主催。決勝には韓日米など6カ国・地域から計24チームが参加した。
決勝は予選より難度が高く、会場は実際の福島原発事故の現場をモデルに設定。ミッションは、▽車両運転▽車両下車▽ドアを開けて進入▽バルブ閉鎖▽壁の穴開け▽コンセントにプラグを挿す▽障害物除去▽階段登りの8項目。
会場から数百㍍離れた場所で、制限されたスピードの無線LAN(Wi‐Fi)だけでロボットを操作しなければならない。ロボットの目を通じてのみ現場の状況を把握でき、その通信接続も頻繁に切れるため、万一の場合はロボットが自分で状況判断を行い、与えられた課題を遂行する人工知能(AI)が必要とされる。
KAISTチームのヒューボは44分台で8つすべての課題をクリアし、賞金200万㌦を獲得した。
昨年行われた予選で同チームは安定的に歩く能力では世界最高水準だったが、事物を認識する能力は米国や日本のチームよりもやや劣った。これを改善するため、イメージ分野の専門家であるKAISTの権インソ教授(電気・電子工学部)をチームに招へいした。
権教授は「ヒューボの生みの親、KAIST機械工学科の呉ジュンホ教授から目が見えるよう求められた。周囲の事物をより具体的、明確に認知できるように視覚処理システムを変更した後、ヒューボの行動速度や動きが大幅に改善された」と話した。
2・3位は米チーム。
(2015.6.10 民団新聞)