尹相直産業通商資源部長官と中国の高虎城商務相は1日、ソウル市内で韓中自由貿易協定(FTA)に正式署名、交換した。両国は2012年5月にFTA交渉を開始し、昨年11月に妥結。今年2月に仮署名した。FTAが発効すれば、年間の韓国の対中輸出品730億ドル、中国の韓国輸出品418億ドルが無関税となる。これは韓国と米国の年間貿易額(1036億ドル)より多い。
開城工団製品も関税優遇
対外経済研究院は、韓国には向こう10年間で▽実質国内総生産(GDP)成長率の0・96%押し上げ▽輸入価格の下落と中国の韓国投資などからして消費者の恩恵146億㌦相当▽5万3800件の雇用創出などの効果があると展望している。
関税撤廃による効果を定量的に分析したもので、政府はサービス市場の開放や貿易障壁の解消、投資誘致の活性化などの面を考慮すると韓国経済に及ぼすプラス効果はさらに大きくなると予想している。
両国間の関税撤廃でGDP12兆㌦の巨大市場が誕生する。韓国の中小企業の中国進出も加速する見通しだ。特にファッションや化粧品、生活家電、高級食品など主要消費財の輸出が拡大し、韓流を生かした韓国ブランド輸出も弾みがつくと期待される。また、FTAを活用しようとするグローバル企業と中国企業の対韓投資の拡大も見込める。
南北経済協力事業である開城工業団地に対する関税優遇措置も注目される。現在生産中または今後生産される可能性がある310品目を「メード・イン・コリア」製品と認めることにした。域外加工地域委員会を設置し韓国と中国が今後、北韓内の域外加工地域を追加できる。
政府は5日に韓中FTA批准同意案を国会に提出した。FTAは両国がそれぞれ国内での手続き完了を書面で通知した日から60日後、または両国が合意した日に発効する。
両国は1日に通商担当相会談も行い、韓中FTAが相互交易・投資の拡大にとどまらず、両国政府、企業間の新たな成長エンジンを模索する全方位的な協力プラットフォームになるとの認識で一致した。韓中日FTAや東アジア地域包括的経済連携(RCEP)など地域経済の統合に向けてもともに努力していく。
◇
両国首脳は1日、FTA署名に合わせて親書を交換した。習近平中国国家主席は親書で、「両国間の通商関係の新たな飛躍にとどまらず、東アジアとアジア太平洋地域の経済統合と世界経済の発展に大きく貢献するだろう」と明らかにした。朴槿恵大統領も「両国の戦略的協力パートナー関係をさらに深める歴史的な里程標になるだろう」と強調した。
()