掲載日 : [2009-06-17] 照会数 : 3289
<読書>韓国近現代の歴史 豊富な写真・図表と史料
本書は韓国で2004年から高校2、3年生の選択科目として設置された「韓国近現代史」の検定教科書、『高等学校韓国近現代史』(大韓教科書)の翻訳である。
6社から出版されている検定教科書中、本書が選ばれたのは「どの教科書を翻訳することが日本の読者にとって有益であるかを考え」てのことだったという。他の教科書と違って、「史資料に語らせる」ことを特徴としており、豊富な史資料を見て高校生が考えて、発表したりするように教科書全体が編まれている。
①韓国近現代史の理解(近代社会の胎動、近代社会の特性、現代社会の正しい理解)②近代社会の展開(外勢の侵略的接近と開港、開化運動と近代的改革の推進、救国民族運動の展開、開港以後の経済と社会、近代文物の受け入れと近代文化の形成)③民族独立運動の展開(日帝の侵略と民族の受難、3・1運動と大韓民国臨時政府、武装独立戦争の展開、社会・経済的民族運動、民族文化守護運動)④現代社会の発展(大韓民国の樹立、民主主義の試練と発展、統一政策と平和統一の課題、経済の発展と社会・文化の変化)の4章で構成。
4人からなる執筆者は、この教科書を通して、韓国近現代史を生き生きと感じ、深く考えることにより、自律的で、進取の歴史意識をもつことができるように願っている。
(韓哲昊ほか著/三橋広夫訳、明石書店3800円+税)
℡03・5818・1177
(2009.6.17 民団新聞)