6日から江原道・平昌で開かれていた国連の生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)が17日、閉幕した。会期中に「平昌ロードマップ2020」と16項目からなる「江原宣言」が採択された。ロードマップでは、2010年に名古屋市で開かれたCOP10で採択された「愛知ターゲット」の達成に向け、科学技術協力、財源投入、開発途上国の力量強化など主要政策別に推進事項を網羅する段階別の履行策を決めた。
韓国計画表を支持
DMZ平和公園実現も期待
「愛知ターゲット」は「絶滅危惧種の絶滅・減少を防止」「水産資源を持続的に漁獲」「汚染を有害でない範囲まで抑える」など20の具体的目標を掲げている。
財源投入の目標策定をめぐり、途上国と先進国が対立したが、生物多様性のための途上国への財政支援規模を15年までに倍増することで暫定合意。次回会議で財政規模を再協議することで一致した。
15日から開かれたハイレベルセグメント(閣僚級会合)では江原宣言文が採択された。10年ぶりの宣言文には、15年以降の国際開発目標「ポストMDGs」に生物多様性の目標の強化を促すメッセージが盛り込まれ、議長名義で国連総会に提出される予定だ。
また、韓国政府が提案した平昌ロードマップを支持し、財源確保の交渉進展を促す内容も含まれた。
科学技術協力強化のための「バイオブリッジ・イニシアチブ」「山林生態系復元イニシアチブ」「持続可能な海洋のための力量強化プログラム」など韓国が主導した生物多様性イニシアチブを歓迎する内容も盛り込まれた。
韓国環境部の関係者は「江原宣言が境界保護地域での生物多様性保全と平和促進の調和に向けた全世界の経験と力量を結集させ、南北非武装地帯(DMZ)での世界生態平和公園造成に大きな役割を果たす」と期待した。
12日には、2010年に日本で採択された「名古屋議定書」が発効した。生物や自然の恵みを使った製品から得られた利益を、原産国と利用国で公平に分けるための手続きを明確化したもので、締結をした国の数が、条件である50に達したため。
名古屋議定書は、製薬会社が植物から漢方薬を製造・販売時に発生する利益の一部を植物の原産国側に支払うことで、生物多様性の保全に役立てる仕組み。動植物や微生物などの遺伝資源は途上国に多くあり、利用国は先進国がほとんどのため、資金援助を狙いとしている。これまでにEUやスイスなど54の国と地域が締結している。
このほか、世界地方政府首脳会議、閣僚級会合などが開催され、194カ国・地域の代表団、国際機関や非政府組織(NGO)、多国籍企業の関係者ら2万5000人余りが出席した。
(2014.10.22 民団新聞)