掲載日 : [21-10-27] 照会数 : 10078
韓国籍家族の死亡時の手続…死亡届記載事項証明書を請求
Q
先日、母が亡くなりました。母は亡くなるまで国籍は韓国でした。私の国籍も韓国です。役所や領事館にどのような手続を取ればよいでしょうか。
A
◆日本の役所への手続
まずは、亡くなった日から7日以内に、お母様の住民票のある市区町村の役所に死亡届を提出する必要があります。死亡届の用紙は葬儀社が準備してくれることもあります。死亡届にはお母様の本名を記載し、あなたが届け出る場合は届出人の欄に本名を記載してください。
死亡届を提出した後、同じ役所で除かれた住民票(住民票の除票とも呼ばれます)と死亡届記載事項証明書を請求してください。
除かれた住民票は相続など様々な手続に必要になりますので、余分に取っておいてもよいでしょう。
死亡届記載事項証明書は、後で述べる領事館での手続に必要です。死亡届記載事項証明書には秘密性の高い情報が記載されているため、死亡届の届出人や亡くなったお母様のご親族しか請求することができません。死亡届を提出したのがあなたであれば、死亡届記載事項証明書もあなたが請求すると手続がスムーズでしょう。
死亡届記載事項証明書は特別な理由がないと発行してもらえません。領事館に提出すると言えば発行してもらえますが、特に理由がないのに余分に発行してもらうことはできません。また、お亡くなりになってから1か月程度たってしまうと、市区町村の役所では死亡届記載事項証明書を発行してもらえず、法務局で発行してもらうことになるのでご注意ください。
市区町村の役所に手続に行くときには、あなたの印鑑と身分証明書(在留カード、特別永住者証明書、運転免許証、マイナンバーカードなど)をご持参ください。
その他、詳しくはお母様の住民票のある市区町村の役所にお尋ねください。
◆韓国領事館への手続
次に韓国領事館に死亡申告の手続を取る必要があります。市区町村の役所で発行してもらった死亡届記載事項証明書の原本と韓国語の翻訳文が必要です。韓国語の翻訳文については、お近くの民団支部や翻訳業者などにご相談ください。
その他、お母様の家族関係証明書と基本証明書(どちらも領事館で取れます)各1部、あなたが手続を取る場合はあなたの印鑑と身分証明書(在留カード、特別永住者証明書、パスポートなど)が必要になります。
詳しくは、駐日韓国大使館のホームページで確認するか、韓国領事館にお尋ねください。
領事館で死亡申告が済んだら、相続や年金の手続のために領事館でお母様の相続関係の資料を取ることをお勧めします。
韓国では2008年に戸籍制度が廃止され、代わって家族関係登録制度が始まりました。そのため、お母様の相続関係の資料としては、お母様の出生から戸籍制度が廃止されるまでの除籍謄本(戸籍制度が廃止されましたので「戸籍謄本」ではなくて「除籍謄本」になります。)と、家族関係登録の証明書を取ることになります。
家族関係登録の証明書としては、①基本証明書②家族関係証明書③婚姻関係証明書④入養関係証明書⑤親養子入養関係証明書の5種類があります。
銀行によっては、①~⑤のうち、例えば①と②だけでよいという所もあるようですが、5種類全て取ることをお勧めします。
弁護士 金喜朝