掲載日 : [2016-06-08] 照会数 : 5350
議員立法で救済へ…名誉回復求める韓国人元BC級戦犯
[ 日韓議連メンバーに早期解決を訴える李鶴来さん(右) ]
日韓議連「検討会」に着手
解放後、60年以上も日本政府による名誉回復と補償を求めてきた韓国人元BC級戦犯者の訴えがようやく実りそうだ。日韓議員連盟の主要メンバーが5月25日、衆議院第2議員会館での院内集会「韓国人BC級戦犯者問題の早期解決を求める集い」に出席し、法案提出へ向け「検討会」に着手したことを明らかにした。集いは韓国人元BC級戦犯者・同進会(李鶴来会長)と「同進会」を応援する会(内海愛子代表)が呼びかけた。
議連の河村建夫幹事長(自民党衆議院議員)は、李会長が91歳と高齢であることを考慮し、「次期国会で具体的に協議し、できるだけ早い議員立法をめざす」と約束した。議連事務局長の伊藤信太郎衆議院議員(自民党)も「元BC級戦犯の無念を晴らせるよう全力を挙げて取り組む」と語った。また、民進、共産の各党国会議員からも、「遅くなって申し訳ない」「李会長の無念を晴らせるよう全力を挙げる」といった決意表明が相次いだ。
民団中央本部の林三鎬副団長は、「数ある戦後補償案件のなかでもこの問題は最も早く解決すべきだった」と暗に取り組みの遅れを批判。民団としても法案化を後押ししていくと述べた。
日本の敗戦後、捕虜虐待などの罪に問われ、連合国側の軍事裁判で有罪判決を受けた韓半島出身者は148人。このうち23人が刑死した。李さん自身も死刑の判決を受けたが、後に減刑に。
1956年、「スガモプリズン」を出所してからは刑死した仲間の無念を晴らそうと日本の歴代首相に援護と補償、そしてなによりも名誉回復を求めて直訴してきた。しかし、「日本国籍がない」との理由で訴えはことごとく退けられてきた。08年に当時の民主党が衆議院に提出した「特別給付金支給法案」も国会の解散とともに審議未了で廃案となった。
李会長は「たいへん感激した。心から感謝を申し上げる」と述べた。また、元BC級戦犯を父に持つ朴来洪さんは「李会長が元気なうちに解決を。今度こそ期待を裏切らないで」と祈るように語った。
(2016.6.8 民団新聞)