『日帝時代、わが家』(2003年、みすず書房)の著者、羅英均さん(梨花女子大学名誉教授)が6日、東京・港区の慶応大学三田キャンパスで「日韓のはざまで」と題して講演した。
羅さんはこれまでに自身が経験した植民地時代、6・25韓国戦争、そして韓日基本条約の締結と全国的な反対デモなどを通して、韓国と日本の歴史的関係について語った。
韓国人の日本に対する感じ方について、韓国併合を直接経験した親世代、日本の統治下で生まれた羅さんたち世代、こうした経験のない子ども世代に分類し、解説した。
子ども世代については「日本の植民地政策などに対して、私たちの世代や親世代の激烈な感情はあまりない。日本を旅行して、日本は学校で教えられたものとは違うという感情を持つ」と指摘。両国の若い人たちに影響を与えるのは大衆文化であり、お互いに文化的な関心を持つようになったと話した。
羅さんは「歴史的に韓国と日本の関係は紀元前3世紀から人々が往き来し始めたといわれ、その後、いろいろな形でその関係は続いてきた」と韓日の長いつながりについて触れた。
最後に「お互いの生存のために協調しあい、相違点があっても長い目でみて平和を維持しながら解決に努めよう。そして政治とは関係なしに文化の交流と個人的な次元での交流をこのまま続けよう」と語った。
(2015.3.25 民団新聞)