掲載日 : [2023-05-10] 照会数 : 1750
岸田首相訪韓、韓日「シャトル外交」再始動
[ 首脳会談を前に握手する尹大統領と岸田首相 ]
岸田首相訪韓し首脳会談
「協力を強化」で一致
尹錫悦大統領と岸田文雄首相は7日午後、ソウル龍山の大統領室で首脳会談を行い、両国の首脳が相互に往来する「シャトル外交」が12年ぶりに再始動されたことを歓迎し、両国関係を継続的に発展させていくことで一致した。
「徴用工、心が痛む」
会談は少人数形式で始まり、途中から政府関係者が同席した中で尹大統領は、岸田首相の訪韓に敬意を表し「石川県で発生した地震による人命・財産被害に対し、韓国国民を代表して哀悼の意を表す」と述べた。
また、「シャトル外交の再開に12年かかったが、両国首脳の相互往来は2カ月もかからなかった」とし、「新たな出発に韓日関係も本格的な改善が勢いよく進んでいくことがはっきり現れている」と評価、「両国の歴史問題が完全に整理されない限り、未来の協力に一歩も踏み出せないという認識から抜け出さないといけない」と語った。
そのうえで、「厳しい国際情勢と世界的危機の状況下で、韓日間の協力と共存は両国の共同利益のみならず、世界の平和と繁栄のためにも必要である」と強調した。
岸田首相はシャトル外交の再始動を「大変うれしく思う。3月の会談では日韓関係を重層的に強化、再構築すること。われわれが号令をかけて萎縮ムードを払拭して対話と協力を強化していくことで一致した」として、「それから2カ月たらずの間にすでにさまざまな対話がダイナミックに動き出している」と答えた。
また岸田首相は歴史認識を巡り、「歴代内閣の立場を引き継ぐという政府の立場は、今後も揺るがない」と表明し、徴用問題については「当時、厳しい環境で多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」と述べた。これに対し、尹大統領は「先に真摯(しんし)な立場を示したことに感謝する」と答えた。
岸田首相は尹大統領が石川県で大きな地震が発生したことを受け、お見舞いのメッセージを送ってくれたことに謝意を示した。
(2023.5.10民団新聞)