掲載日 : [2023-05-24] 照会数 : 1993
韓国人慰霊碑 韓日首脳が共同参拝
[ 韓国人原爆犠牲者慰霊碑を共同参拝する韓日両首脳夫妻(代表撮影) ]
尹錫悦大統領は21日、岸田文雄首相とともに広島市の平和記念公園内にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑を共同で参拝した。
共同参拝は岸田首相夫妻が広島平和公園で尹大統領夫妻を迎えた。
尹大統領と岸田首相は午前7時35分頃、広島平和記念公園の慰霊碑の前で献花し、黙祷した。金建希女史と岸田祐子夫人も同席した。
韓国と日本の首脳が韓国人原爆犠牲者慰霊碑を共同で参拝したのは初めて。日本の首相が韓国人慰霊碑に参拝するのは、小渕恵三元首相以来24年ぶり。
現場では、広島とその近くに住む韓国原爆被害者対策特別委員会の朴南珠元委員長ら韓国人被爆者10人が、両首脳夫妻の慰霊碑共同参拝を見守った。
尹大統領はその後にもう一度目礼し、原爆被害者にもあいさつした。その後尹大統領は岸田首相の案内を受けて車に乗り込んだ。
「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」は1945年8月6日の原爆弾投下により命を失った韓国人の魂を追悼するため1970年に民団の有志らによって建立された。
広島で原爆が爆発した当時、韓国人約5万人が被害を受けたとされる。韓国原爆被害者協会は広島での原爆による韓国人死亡者を3万人と推定しており、慰霊碑には死亡者が2万人と記録されている。
大統領室報道官は、今回の共同参拝について「両首脳が韓日関係の胸が痛む過去を直視し、治癒のためにともに努力していることを意味する」と述べた。
また「東北アジアと国際社会の核の脅威に、両首脳と両国が同盟国である米国と共同で対応するという意味が含まれている」として、韓米日の安保協力強化を確認した。
報道官は「これまで韓日両国は、過去の問題を解決するために言葉を主にしてきたとすれば、今回は実践したもの」だと強調した。
3回目の首脳会談
参拝後、両首脳は近くの平和記念公園内にある国際会議場で35分間、韓日首脳会談を行った。韓日首脳会談は、7日のソウルでの会談に続き2週ぶり。3月の東京での首脳会談まで含めると、2カ月で3回目となる。
両首脳は、北韓の核とミサイルの脅威に対する共同対応と、経済セクターでの協力に一致した。
報道官「北朝鮮の核とミサイルの脅威が強まる厳しい地域情勢のもとで、韓米日間の緊密な共助をよりいっそう強固にしていかなければならないという点で共感した」として、「外交・安全保障分野はもちろん、経済、産業、科学技術、文化芸術、人的交流など諸般の分野で今後も緊密に協力し、具体的な成果を作ろうと語った」と述べた。
両首脳は「機会があれば、今後も首脳間のシャトル外交を続ける」ことで一致した。
中国とロシアに向けてのけん制のメッセージも出した。イ報道官によると、両首脳は「法による支配に基づいた自由で開かれた国際秩序を強調し、普遍的価値を共有する韓国と日本が相互連帯と協力を通じて様々なグローバル・アジェンダに対応する必要があることに共感した。特に、今回の主要7カ国広島首脳会議(G7広島サミット)を契機に、両国間のグローバル・アジェンダに関する協力を強化していくこと」を再確認した。
(2023.5.24民団新聞)