掲載日 : [2021-03-17] 照会数 : 4809
同胞含む高校生グループが東日本大震災の映画制作
[ 映画制作に取り組んだ播磨地域の高校1年生3人 ]
【兵庫】兵庫県播磨地域の在日同胞を含む高校1年生3人が東京電力福島第1原子力発電所がある福島県を訪れ、ドキュメンタリー映画「15歳、福島で何を考える」を制作した。
3人は姫路市内で学習塾を経営している在日同胞、村岡世済さん(46、民団兵庫・西播支部課長)の教え子たち。村岡さんが東日本大震災も風化させることなく、自然災害について考えてもらおうと塾生たちに映画制作を呼び掛けた。
村岡さんも20歳の時、神戸市中央区の自宅で阪神・淡路大震災を体験した。がれきの下から助けを求める声を聞きながらも応えることができなかった。人が死に、何人もの人が運ばれていくのを目の当たりにして「生き残った命をどう生きるのか」を考え、人生観が変わったという。
3人は昨年の8月中旬、福島市を訪れた。津波にのまれ、がれきが散乱し、壁や床の一部が抜け落ちたままの小学校の校舎や荒れ果てた家屋などを目の当たりにして「現地に来るまではひとごとだった」「テレビで見たよりもひどい被害」と胸を痛めた。
富岡町にある東京電力廃炉資料館を訪れたときには「被災地の今を伝えたい」と強く思ったという。
撮影と編集には塾生OBの在日同胞映像作家が協力。完成した映画は11日、神戸市中央区の人と防災未来センター、姫路市のイーグレひめじで一般に公開された。作品は動画投稿サイトのユーチューブで「15歳、福島で何を考える」(40分)と検索すると視聴できる。
村岡さんは「コロナ禍の中、今、世界中で生きるのがつらくなっているが、だからこそ、人と人との絆を大切にしていかなければ」と話していた。
(2021.03.17 民団新聞)