掲載日 : [2022-08-03] 照会数 : 2155
在日社会の高齢化にどう対応…駐大阪総領事館がフォーラム
[ 大阪韓国人会館で開かれた韓日関係フォーラム ]
支援サービスや対応策など模索
【大阪】駐大阪大韓民国総領事館(趙成烈総領事)主催の「在日韓国高齢者の福祉的課題と今後の展望」をテーマにした韓日関係フォーラムが7月29日、大阪韓国人会館で開かれ、民団、婦人会ほか関係者ら60人が参加した。
趙総領事は「韓日両国の高齢化が急速に進展し、福祉問題が重要な懸案課題として浮上している。今日のフォーラムでは高齢者支援サービスの必要性を確認するとともに、同胞社会全体の問題として一緒に考え、対応策を模索する契機になることを願っている」と期待を寄せた。
第1セッションのテーマは「在日韓国高齢者の福祉的課題」。
NPO法人在日コリアン高齢者支援センターサンボラムの高敬一理事長が「なぜサンボラムが必要なのか」と題して、日本人と在日コリアンの高齢者の違いやサンボラムの理念などについて発表し、「在日高齢者に特化した介護サービスをこれからも提供していく」とした。
特定非営利活動NPO法人うり・そだんの鄭貴美理事長は「在日に特化した介護は長寿につながり、家族や職員たちの変化をももたらす」と強調した。
また、NPO法人いくの市民活動支援センターの武直樹代表理事(大阪市会議員)は「地域共生社会の実現に向けて」と題して生野区のプラットフォームの取り組み、地域包括システムの構築について説明した。
第2セッション「民族団体の取り組みと今後の展望」では、社会福祉法人ハナ集いの家ムグンファの朴清施設長が、民団八尾支部で約20年前に街かどデイハウスを展開し、10年前からは通所介護事業にも取り組んだことを説明した。
特定非営利活動法人南京都福祉センターの李基安理事長は、南京都支部のデイサービス「コスモス苑」の開所や今年で75年になる更生保護法人京都保護育成会について現状を発表した。
民団大阪本部の崔俊一文教部長は、民団の高齢者福祉事業について「高齢者世帯を訪問することで見守りサービスや問題の対応につながる」として、民団だからこそできる戸別訪問事業の強化が最重要課題であると強調した。
神戸女子大学の川端麗子准教授は、在日コリアン高齢者の福祉的課題と民生委員活動から考える多文化ソーシャルワークについて発表した。