掲載日 : [2022-08-04] 照会数 : 1194
白頭学院が「優秀賞」郷土芸能部門…高校文化部のインターハイ
[ 練馬文化センターで演奏する白頭学院(3日) ]
[ 練馬文化センターで演奏する白頭学院(3日) ]
[ 練馬文化センターで演奏する白頭学院(3日) ]
第46回全国高等学校総合文化祭東京大会
白頭学院建国高等学校伝統芸術部が「文化部のインターハイ」と呼ばれる第46回全国高等学校総合文化祭東京大会(とうきょう総文2022、文化庁ほか主催)に大阪府代表として出場、「郷土芸能部門」で「文化庁長官賞・優秀賞」を受賞した。白頭学院が大阪府代表に選ばれたのは今年で19年連続。「優秀賞」受賞は09年に続き2回目。
郷土芸能は全国各地に伝わる祭囃子、神楽、民謡、踊りなどの「伝承芸能」と伝承曲・創作曲を含む「和太鼓」の2部門によるコンクール形式の大会。伝承芸能では全国21の代表校が2~4の3日間、練馬文化センターホールで舞台を繰り広げた。
白頭学院の演目は旧暦の大晦日に悪疫邪気を払い、新しい年の五穀豊穣と人々の多幸を祈願するという「儺禮地神(ナレチシン)パルキ~黄海道鳳山仮面舞より」。黄海道鳳山に伝わる伝統タルチュム(仮面劇)だ。部員11人が舞台をいっぱいに使い、勇壮でリズミカルな演技を展開した。客席からは手拍子が送られた。
作品とは5年前に出会った。指導にあたった同校伝統芸術部顧問の車千代美さんによれば、黄海道の地域性を活かしながら日本人にも理解できるよう12分の演目にリメークしたという。
大変だったのはここ3年間、コロナ禍のために本場の韓国で指導を受けられなかったこと。おまけにメンバーの2人は1カ月前に入ったばかり。このため、実質9人が一人で2、3役をこなした。
総文では毎年「命がけで」舞台をつくってきたが、ここしばらくは入賞を逃してきた。今回も期待感はまったくなかった。「講評を聞こう」と残っていただけだという。
「優秀賞」の発表に部員全員、涙を流した。車さん自身、「自然に涙が出た」。車さんは「先輩から後輩へと20年間引き継いできた伝統の重みが賞に結びついたのでは」と語った。
白頭学院は郷土芸能部門優秀校に選ばれたため、28日、東京の国立劇場大劇場で招待公演する栄誉が与えられた。