掲載日 : [2016-12-07] 照会数 : 5836
金成妍さんに特別賞…第39回巖谷小波文芸賞
[ 特別賞を贈られる金成妍さん(右) ]
日本の児童文学の発展に貢献した巖谷小波(いわやさざなみ、1870〜1933)の遺志を継承する人・団体を表彰する第39回巖谷小波文芸賞の授賞式が11月29日、東京千代田区内のホテルで行われ、金成妍さん(37)が特別賞を受賞した。主催は公益財団法人日本青少年文化センター(東京・千代田区)。
金さんは02年から児童文学者で俳人としても活躍した巖谷について本格的に研究し、巖谷編集の「少年世界」や当時の新聞などを足掛かりに植民地統治時代の韓国での足どりをたどった。
今年8月には巖谷が韓国で制作したおとぎ話を題材にした絵画や韓国旅行中に詠んだ俳句などをまとめ、『風光る‐巖谷小波俳句・俳画選集』(200㌻)と題して韓国で出版した。巖谷を韓国で紹介した本としてはこれが最初となり、「韓日両国における文学交流の歴史を明らかにした」と高く評価された。
金さんは釜山出身。九州大大学院で比較社会文化を専攻し、08年に博士号を取得。同年、児童文学者で口演童話家の久留島武彦(1874〜1960年)研究で第48回久留島武彦文化賞個人賞を外国人として初めて受賞した。現在、大分県玖珠町の久留島武彦研究所の所長。
(2016.12.7 民団新聞)