掲載日 : [2016-01-27] 照会数 : 5702
反ヘイト90団体結集…人権条例制定求める
川崎市 市民集会で決議
【神奈川】「川崎でのヘイトスピーチを許さない!」。市民団体、市議団、市職労、市教組、商店街振興組合などが手をとりあい23日、川崎区の市労連会館で「オールかわさき」市民集会を開いた。会場は300人で身動きも取れないほど。熱気の渦巻くなか、国連の人種差別撤廃条約に基づく措置をとることなどや、「ヘイト・スピーチを許さない、人権の街・川崎宣言」を求める市および市議会への要請書を採択した。
川崎市は社会福祉法人青丘社(重度理事長)が核となって1970年代から民族差別と闘ってきた特別な歴史がある。なかでも在日同胞が多住し、川崎市ふれあい館が中心となって多文化共生の街づくりに取り組んでいる桜本地区はヘイトスピーチとは対極にある。
だからこそ、ヘイトスピーチへの市民の怒りは大きい。昨年10月、ヘイトスピーチデモ隊が川崎市内で集結した時は300人で抗議の「壁」をつくり、事前に予定されていた桜本地区への立ち入りを許さなかった。
川崎市でのヘイトデモは12年から始まり、すでに11回を数えた。心を痛めた青丘社をはじめとする3団体が、昨年末から市民集会の開催を準備してきた。賛同は市民団体のほか市議団、市職労、市教組など23日の開催当日までに90団体を数えた。
発言に立った「のりこえネット」共同代表の辛淑玉さんは、「オール川崎は希望の光。世代、民族を超えてつながった。この川崎から新しい力を世界に発信しよう」と述べた。同じく金哲敏弁護士も川崎市に、「川崎でこれ以上ヘイトスピーチを許さないシステムづくりが必要」と行政の対応を呼びかけた。
桜本地区の在日1世高齢者交流クラブ「トラヂの会」参加者が、「差別されるのは慣れているけど、腹が立つ。差別せんと仲良くしようよ」と呼びかけると、会場から「そうだ、そうだ」という声が上がった。
韓国籍の母親を持つ在日3世の中学生も檀上に上がった。「大阪市では(へイトスピーチへの対処に関する)条例ができた。大阪でだめなものが川崎で許されるわけがない。川崎市でも条例をつくってほしい」と呼びかけると、大きな拍手が起きた。
主催団体の「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワーク(関田寛雄代表)では今春、福田紀彦川崎市長に提出する「ヘイトスピーチ根絶のための基本行動計画を求める市民署名」を集めている。最終集約は3月末日の予定。
(2016.1.27 民団新聞)