掲載日 : [2016-09-14] 照会数 : 6960
北核実験に強く抗議…後半期全国団長会議で決議
[ 後半期の主要活動について討議した全国団長・傘下団体長会議 ]
民団中央本部は9日、韓国中央会館(東京都港区南麻布)で2016年度後半期全国地方団長・中央傘下団体長会議を開き、次世代育成など今年度前半期の活動を総括するとともに、1,在日同胞社会の大統合2,ヘイトスピーチ(差別扇動表現)根絶運動など、後半期の主要活動について論議し、周知徹底を図った。
この日強行された北韓の核実験に対しては、核実験に強く抗議し、強力な制裁に共同歩調を強く求めるなど、参加者一同が決議文(別掲)を満場一致で採択した。
呉公太団長は会議の冒頭で「北韓の核実験は断じて許すことができない。すでに抗議文を発表したが、私たちの総意で決議文を採択したい」と呼びかけた。続けて、創団70周年記念事業の柱として取り組んだ次世代1500人母国訪問について、「2年ぶりに開催したオリニジャンボリーが、過去最高のオリニ449人を含む559人規模で目標達成したのをはじめ、中学・高校・大学生対象の『次世代サマースクール』も各地方の努力で成功裏に終えることができた」と高く評価した。未来創造フォーラムについては、「様々な忌憚のない意見を収斂し、これからの民団の行くべき道を、10月21日の創団70周年式典で『宣言』として出したい」と述べた。
呂健二議長は「組織のルールである規約を都合よく解釈して組織を混乱させることがないよう、規約遵守の精神を徹底しよう」と訴えた。韓在銀監察委員長は「規約に基づく迅速な判断と処理能力を高めるために、例年開催の監察研修を今秋開き、組織力量拡大をめざす」との姿勢を示した。
李俊揆駐日大使は激励辞で「創団70周年の民団は本国発展の要であり、今後も韓日関係を支える懸け橋の役割を大いに果たしてほしい」と要望した。来賓あいさつで在外同胞財団の金永根事業理事は「在日社会の未来は民団にかかっている」と強調し、民進党参議院議員の白真勲議員は「選挙にからめヘイトスピーチを強行する動きがあった。このような画策に対して今後どう止めるか、皆さんと知恵を出し合って立ち向かっていきたい」と呼びかけた。
辛容祥常任顧問は「在日の歴史を本国の教科書に掲載する運動を高く評価する。韓国戦争に在日学徒義勇軍が自ら参戦したのは、世界史にも例がない誇らしい実績だ。在日の名誉と尊厳を回復させよう」と鼓舞した。
続いて10月7日から忠清南道で開かれる第97回全国体育大会の、在日同胞選手団引率団長を務める李光馥・宮城本部地方委員に、呉公太団長から委嘱状が手渡された。
70周年事業の一環として在日同胞史を韓国教科書に掲載するための署名運動は、11月末までに5万人集めることにした。
会議終了後、『日本会議の研究』の著者、菅野完氏が講演し、「外国人参政権反対もヘイトスピーチの生みの親も、女、子ども、外国人の人権を嫌悪する『日本会議』が裏でやってきたこと。皆さんは愚直に自らの人権を主張し行動し続けるべきだ」と強調した。
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北韓の核実験強行に対する決議文
北韓は本日9日、5回目の核実験を強行した。韓半島のみならず世界の平和と安定を脅かした暴挙、致命的な環境破壊を引き起こす人類への国家犯罪に対して、私たち韓国民団は在日同胞の総意を代表し、怒りを込めて強く抗議する。
北韓は9月5日にも日本の排他的経済水域に向けて弾道ミサイル3発を発射、8月24日には潜水艦発射弾道ミサイルを発射するなど一連の軍事挑発を止めず、3月の国連制裁決議を完全に無視してこれまで20数発の弾道ミサイルを発射し続けてきた。
北韓は核やミサイル開発に費やす膨大な時間とカネがあるならば、まずは飢餓にあえぐ自国民を救済すべきである。私たちは破滅に向かって自分の首を絞める北韓の暴走に対して、同じ民族の一員として、断じてこれを許さない。
私たち民団は一日も早い祖国統一を願う立場から、北韓の軍事挑発に抗議、反対するとともに、そのことが韓半島と北東アジアの平和と安定、韓国の自由民主主義を守る道だと確信し、以下のように決議するものである。
一、私たちは、世界平和と安定を脅かした北韓の核実験に強く抗議し、二度と軍事行動を強行しないよう国際世論と連帯する。
一、私たちは、各国に対して国連安保理決議に基づいた強力な制裁に共同歩調を取るよう強く求める。
2016年9月9日
在日本大韓民国民団
2016年度後半期全国地方団長・中央傘下団体長会議参加者一同
(2016.9.14 民団新聞)