掲載日 : [2020-05-13] 照会数 : 7125
プロ野球 KBOリーグ無観客で開幕…米で生中継 ファン喚呼
[ 無観客で開幕した韓国プロ野球を伝えるKBSニュース ]
[ 始球式の金ヘジュ大尉 ]
開幕5試合 国内では216万人視聴
新型コロナウイルスの感染者が多数発生した韓国南東部・大邱市の病院で、マスクですりむけた鼻にばんそうこうを貼って看護に奔走する映像がSNSで話題を集めた看護将校の金ヘジュ大尉が8日、蚕室野球場で行われたKTウィズと斗山ベアーズの試合前、始球式に登場した=写真。
国軍春川病院所属の看護将校の金大尉は医療支援任務を行った28日間を忘れないという意味を込め、背番号「28」のユニフォームを着た。金大尉は集団感染が拡大した大邱で2月23日から3月21日までの4週間、軍医療支援チームとして派遣され、大邱市の病院で患者の治療任務を遂行、隔離病棟で重症患者の看護を担当した。医療従事者数が足りず、3交代制勤務を基本に毎日11~12時間勤務した。
プロ野球がようやく開幕できたのも、金大尉のように新型コロナウイルス感染の危険を冒してまで、真っ向から立ち向かって奉仕した医療陣や関係者らの功労が大きかったからだ。
マウンドに上がった金大尉は敬礼の後、ボールを投げた。始球式を見守った選手たちは、感謝の気持ちを込めて大きな拍手を送った。
金大尉は「国軍医務司令部の一員として当然のことをしただけ」としながら「これからも新型コロナウイルス克服のため、自分の持ち場で任務に最善を尽くす」と語った。
コロナ対策で話題の看護将校、金ヘジュ大尉が始球式
新型コロナウイルスの感染拡大で延期されていた韓国プロ野球(KBOリーグ)の公式戦が5日、無観客試合で開幕した。全5試合は地上波3局とスポーツ専門チャンネルで中継され、視聴率調査会社の調べによると視聴者は216万人に上った。
今季の開幕は3月28日を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期した。当面は無観客で試合を行う。
KBOリーグ開幕には野球宗主国の米国をはじめ、世界から関心が集中した。開幕前日の4日、米国スポーツ専門メディアのESPNが1日1試合ずつ生中継することを発表。米国で生中継された最初の試合は大邱で行われたNCダイノス‐三星ライオンズの開幕戦だった。
米ではタブー視の「バット投げ」に関心
降雨のため試合開始が30分遅れたが、この間、KBOリーグを詳細に紹介した。昨シーズンの記録をメジャーリーグ(MLB)と比較したほか、バット投げ映像を集めて見せ、「サッカー選手たちがゴール後、さまざまなセレモニーをするように、韓国のプロ野球選手は本塁打後にバット・フリップ(打撃後にバット投げる)」すると解説、MLBでは「相手投手を刺激する行為」と考えタブー視されていることもあり、「バット投げ」に高い関心を示した。
このほかKBOリーグで最優秀選手(MVP)に選ばれたエリック・テイムズ(ワシントン・ナショナルズ)、ジョシュ・リンドブロム(ミルウォーキー・ブリュワーズ)ら、韓国で活躍した選手を紹介した。
久しぶりのプロ野球生中継に米国ファンは歓呼した。米ヤフースポーツはこの日、「韓国プロ野球を見る予定か」と尋ねる緊急アンケートの結果、回答者の86%が「テレビで観戦する」と答えた。
試合開始時刻が近づくと、多くのファンがESPNでKBOリーグ中継を見る姿の自撮写真をSNSでアップした。
メジャーリーグのスター選手もKBOリーグの開幕と中継を祝った。2018年アメリカンリーグMVPのムーキー・ベッツ(LAドジャース)は自身が登場する韓国プロ野球紹介動画をアップし、開幕戦のムードを盛り上げた。自身のツイッターに「KBOが帰ってきた。私たちはみんな視聴します。今後も大きな関心をお願いします」とコメントした。
米国だけでなく、AFP通信(フランス)、ロイター通信(英国)、日本テレビ(日本)、アルジャジーラ(カタール)など海外の複数メディアが開幕戦を取材した。
(2020.05.13 民団新聞)