掲載日 : [2021-05-12] 照会数 : 3947
巣ごもりで部数伸ばす『韓国語学習ジャーナルhana』ドラマや音楽に魅かれ
[ 浅見陵子編集長(左)と裵正烈代表 ]
新編集長のもと誌面刷新
韓国語の中・上級レベルを目指す人たちのための季刊誌『韓国語学習ジャーナルhana』(株式会社HANA、東京・千代田区)がコロナ禍のために外に出られない状況も手伝い、部数を伸ばしている。巣ごもりで韓国ドラマやKーPOPに触れた人たちの心を捉えたようだ。6月中旬には節目の40号が発売される。
最新号(Vol=39 2021年3月)は「オンライン時代の今どき韓国語学習」を特集した。新型コロナの感染拡大で教育業界でも急速にオンライン化が進んでいる。そうしたなか、YouTubeチャンネルやリスニング力を鍛えるラジオ、ポッドキャストのなかから良質なコンテンツを紹介している。
韓国語学習に特化した実用的な企画の一方で映画、テレビ、音楽、グルメ、ビューティーといった文化情報も満載。読者にひと時のくつろぎを与えてくれる。これら生の情報は韓国と日本に住む専門のライターから送られてくる。
最新のアンケート結果によれば、読者層は8割を女性が占める。年代的には30~50代が中心。韓国語学習歴5年以上のハングルを読めてある程度理解できるという人たちが多い。『hana』の強みはファンとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で繋がっていること。ツィッターのフォロワー数は2万1400人を数える。
創刊は2014年。当初は隔月刊だった。「言葉の出版を通じて日本と韓国をつなぐ」を使命に、株式会社HANA代表でもある裵正烈さんが編集長を兼務してきた。通巻36号からはそれまでの広報・営業の経験を買われ、現在の浅見綾子さんにバトンタッチした。
浅見さんは「学習者に寄り添う」をモットーに掲げ、女性目線で編集方針を少しずつ軌道修正していった。「まるみを強調したやわらかいデザイン」で、学習者に韓国語は難しくないと思わせる誌面づくり。全体の文字数を減らし、ビジュアル化で視覚に訴えた。
すると、コロナ禍で低迷していた売り上げがぐっと上がったという。これは「ステイホームのためドラマ『梨泰院クラス』や『愛の不時着』にはまった人たちやBTSファンが韓国語学習を始めたのでは」と浅見さんは分析している。
『hana』は、裵代表が語学出版大手の「アルク」に勤務していた当時の02年に創刊した季刊『韓国語ジャーナル』の流れを受け継いでいる。同誌が44号で休刊してから1年後に創刊した。
(2021.05.12 民団新聞)