掲載日 : [2021-06-09] 照会数 : 5928
「王の願い ハングルの始まり」25日公開
[ 左からパク・ヘイル、ソン・ガンホ、チョン・ミソン©2019 MegaboxJoongAng PLUS M,Doodoong Pictures ALL RIGHTS RESERVED. ]
ソン・ガンホが重厚な演技
固有文字創製への執念を描く
民族固有の文字「訓民正音」の創製に命をかけた朝鮮王朝第4代王、世宗の情熱と葛藤を描いたチョ・チョンヒョル監督の史劇エンターテインメント映画「王の願い ハングルの始まり」(配給=ハーク)が25日から、東京のシネマート新宿ほか全国で公開される。
ハングルが創製されるまで、韓国には自国語を表記する固有の文字は存在しなかったが、上流階級層、知識層だけが特権として中国の漢字を使っていた。
この状況をもどかしく思う世宗(ソン・ガンホ)は、庶民たちが学びやすい民族固有の文字を作ることを決意する。
世宗が新たな文字作りのために協力を仰ぐのが、最下層に位置する賎民の僧侶シンミ(パク・ヘイル)とその弟子たちだ。
シンミがハングルの創製に関わるという内容はフィクションだが、民を思う世宗の信念に突き動かされたシンミが、文字作りに執念を燃やす姿は、一つの見せ場でもある。
王の家臣たちは、最下層のシンミと手を取り合い、庶民に文字を与えようとしている事態に激しく反発する。ソン・ガンホは、逆境の中にあっても文字作りに突き進んでいく世宗を、重厚な演技力で魅せる。
韓国映画として初めて撮影を敢行した韓国のユネスコ世界文化遺産「海印寺蔵経板殿」「浮石寺無量寿殿」「鳳停寺」は、木造建築が持つ伝統の重さと美しさを兼ね備えている。
ソン・ガンホ、パク・ヘイルとともに、王后役として登場したチョン・ミソンは、「殺人の追憶」以来16年ぶりの共演作になるが、「王の願い…」がチョン・ミソンにとって遺作となった。
(2021.06.09 民団新聞)