掲載日 : [2017-04-12] 照会数 : 9204
深化する「土曜学校」…めざすは「韓国学校」
[ 神奈川韓国綜合教育院での開講式の模様 ] [ 保護者つき添いで韓国文化に親しむ ]
2017年度の「土曜学校」が4月から全国で始まった。神奈川県では横浜市内にある複数の「ハングル学校」が磯子区の公益法人神奈川韓国綜合教育院(柳尚材院長)に統廃合され、新たに「横浜土曜韓国学校」(金栄哲校長)として開講した。東京では民団練馬支部(李龍雄支団長)が新定住者らからの要望を受けて、今年度から3、4歳児も受け入れるようになった。「土曜学校」は少しずつ深化しつつあるようだ。
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ハングル学校統廃合…横浜
【神奈川】「横浜土曜韓国学校」は1日、神奈川韓国綜合教育院で開校した。横浜市内だけでなく、近隣のハングル学校に通うオリニも広く受け入れている。この日は県内の川崎、相模原、横須賀からも駆けつけた。
現在の登録者は50人ほど。年齢別に4クラス編成とした。幼児は3〜4歳と5〜6歳の2クラス構成。初級は小学校1〜2年生、中級が小学校3年生以上。カリキュラムは従来の韓国語中心の教育から脱皮し、韓国の初等教育課程をモデルとした。県内にはない韓国学校に準じる質の高い教育をめざす。
開校式で駐横浜総領事館の朱重徹総領事は「韓国学校にかわる同胞教育の新しいモデルを提案できるようになることを期待している」と述べた。
民団神奈川本部の金利中団長は「学校発展基金造成など、あらゆる支援を惜しまない」と約束した。
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3、4歳児クラス新設
民団東京練馬支部
民団東京・練馬支部は1日から既存の「小学生部」に加えて新たに保護者同伴の「幼児部」を開講し、2部制にした。昨年度までは5歳児から受け入れてきたが、3、4歳児を抱える新定住者の保護者からの要望に応えた。
1カ月に2回、各40分の「土曜学校」でできることといえば限られている。「幼児部」ではハングルの勉強はしない。一緒に遊ぶのが基本だ。韓国で中・高校国語の教員免許を取得した講師の禹兪美さんは「子どもたちが韓国語と韓国の文化を楽しいと思ってもらえればそれでいい」という。
「土曜学校は公文でも塾でもない。いずれ成長してから本格的に韓国語を学んでみたいと思えるようなきっかけをつくってあげたい」と話す。
ただし、全体の進行は韓国語に自然と慣れさせるためにウリマル。日本人の母親を持ち、家庭で韓国語を使う習慣のない子どもたちには個別に日本語を使い、疎外感を持たせないように気を配っている。登録者は「小学生部」12人。「幼児部」は16人を数える。
(2017.4.12 民団新聞)