掲載日 : [2021-10-13] 照会数 : 2563
対面行事そろり再開…ウィズコロナ緊張感は緩めず各地民団
「10月マダン」の対応まちまち
新型コロナウイルスに備えた日本政府の緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が1日、半年ぶりに全面解除された。宣言期間中、対面事業の自粛を余儀なくされてきた民団も恒例の「10月マダン」を控えてそろり動き出した。ただ、10月30日までは「経過措置期間」だけに感染拡大には細心の注意をはらっている。
主だった地方本部事務局に聞くと、「やっと集まれそうですね」(宮城)、「解除されて一安心した」(静岡)、「気が楽になりました」(西東京)と一様に歓迎の表情。ただし、冬に到来するといわれる第6波を恐れてか警戒心は緩めていない。
神奈川は昨年4月が県と京畿道の友好都市提携から30周年の節目だった。ただし、県からは記念イベントは控えるよう要請されたとしており、「様子見」(事務局)が続いている。
茨城では23日に開催予定の「10月マダン」で各種アトラクションを準備していた。しかし、事前の執行委員会では「歌ったり、踊ったり、飲むのは早い」という慎重派の意見が勝り、リモート方式の講演会に落ち着いた。
山口は他の都道府県に比べれば新規感染者はゼロに近い。徐鶴奎団長は「近隣の福岡県と広島県との人的交流がなければ収束もありうるが、注意しておかないと第6波が起こりうる」と心配している。
愛知でも「10月マダン」を計画していたが、「宣言が解除されたからといっても準備期間があるので、すぐにとはいかない」(姜裕正副団長)。「年内も残り2カ月足らず。年明けからヨーイドンするのかな」(同)と試行錯誤を重ねている。
広島は感染防止対策を徹底したうえで、昨年見送った事業を実施に移していく。10月だけでも韓日親善交流会、原爆被害者から証言を聞く会、韓日親善文化公演などの行事が目白押し。事務局では「安心しているわけではない。緊張感を持って臨む」と話している。
兵庫はこの2年間、常にすきあらば行事をやっていくことで一環しているという。「ゼロにはしない。常にやる前提で行事を準備している。準備しておいて仮に感染拡大で中止になっても致し方ない」(事務局)。第6波が心配される12月以降を避け、11月に行事を前倒しで実施していくことも検討中。
大阪では10月から11月にかけて毎週のように小規模ながら多機能な行事が続く。予想される第6波をイメージしており、いまできるうちにやってしまおうという考えだ。
事務局では「民団の置かれている状況を冷静に考えると、実務者は休んでいる場合ではない。今はとにかく走らないと民団の将来像は描けない」と職員の奮起を促している。
(2021.10.13 民団新聞)