掲載日 : [2021-03-31] 照会数 : 5451
「在日の聖地」由来碑、河正雄さんが聖天院境内に建立
[ 由来碑と施主の河正雄さん(左から2人目) ]
【埼玉】日高市の高麗山聖天院勝楽寺の山腹「桜の丘」に建つ「在日韓民族慰霊塔」と塔の周囲で咲き誇る桜の「由来碑」が27日、境内でお披露目された。由来碑は高さ1㍍20㌢、横1㍍80㌢ほどの黒御影石。在日同胞2世の河正雄さんが施主を担った。
碑文によれば、「慰霊塔」は被植民地統治期に日本に渡り、過酷な労働の末に亡くなった韓民族を供養し、その苦闘の歴史を次代に伝えていこうと在日同胞1世、尹炳道さん(故人)が発願。当時の横田辯明住職の協力を得て2000年に建立した。塔には全国で亡くなった4310人の過去帳が奉納されている。
桜は尹さんの「在日の聖地」建立に協力した河さんが植樹した。天然記念物角館枝垂桜(江戸ヒガンバナの変種)の苗木は、河さんが自身の生まれ故郷でもある秋田県仙北市の教育委員会から承認を受けて実生の5本を無償で譲り受けた。08年には仙台枝垂桜と吉野枝垂桜の苗木30本を境内に植樹した。
27と28日の両日は聖天院本堂と「桜の丘」がライトアップされ、夜桜詣に訪れた市民を楽しませた。
河さんは「春になると多くの市民がお参りに訪れる。ここを在日の聖地として親しんでもらえたら」と話していた。
(2021.03.31 民団新聞)