掲載日 : [2016-10-12] 照会数 : 5320
新世代作家招いてトーク…千雲寧さん・金仁淑さん
[ 右から司会の姜信子さん、金仁淑さん、1人おいて千雲寧さん ]
韓国の新世代作家、千雲寧さんと金仁淑さんを招いてのトークイベント「韓国の小説を読む愉しみ」が9月25日、東京ビッグサイトの第23回東京国際ブックフェア展示会場で開かれた。韓国文学翻訳院主催。司会は在日3世の詩人・作家、姜信子さんが務めた。
千さんは、実在した李根安という拷問技術者をモデルに、ソニという架空の娘を設定して描いた『生姜(センガン)』(橋本智保訳、新幹社刊)を執筆した経緯、自身の父への思いなどを話した。
李根安は民主化運動が起きた1980年代に悪徳な拷問技術者として名を馳せ、当時、月の輪熊というあだ名で呼ばれていたという。
千さんは、李根安が99年に自首するまでの約10年、自宅の屋根裏部屋で過ごしていたことに興味を持ち「もし私に彼のような父親がいたら許すことができたかどうか、私だったらどうしただろうという問いに変わってきた」と、娘という存在を加えた経緯を説明した。
また、日本初出版で短編7作品を収録した『アンニョン、エレナ』(書肆侃侃房)の著者である金さんは、80年代に作家生活をスタートさせた思いなどについて語った。
(2016.10.12 民団新聞)