掲載日 : [2016-10-12] 照会数 : 4427
韓日有識者が再照明…学術会議
「日本における韓国独立運動と日本人」と題した韓日国際学術会議が9月29日、東京の在日韓国YMCAアジア青少年センターで開かれた。主催は独立記念館韓国独立運動史研究所。5つの主題で各研究者が発表に立ち、最後に総合討論で論点を掘り下げた。
解放前に韓国の独立運動を理解し、支援した日本人としては「大正デモクラシー」の代表的な政治学者であり、思想家でもあった吉野作造がよく知られている。文芸分野では柳宗悦、浅川兄弟らが著名だ。弁護士では布施辰治に対する研究がぬきんでているという。
京都大学人文科学研究所の小野容照助教は弁護士として布施一人に研究が偏るなか、花井卓蔵と山崎今朝弥に着目した。花井弁護士は布施に先駆け、2・8独立運動で立ち上がった留学生を一審で弁護した人物。山崎弁護士は布施と同様、関東大震災時の朝鮮人虐殺に強い怒りを表した「布施に劣らず注目すべき弁護士」と述べた。
韓国独立運動史研究所の尹素英研究委員は「日本で在日韓人の社会運動と独立運動が旺盛に展開できた要因には、このような日本人たちの協力と支持があった」と認めた。
開会にあたって尹柱卿館長は会議について「過去の歴史から学び、韓日両国の友好関係を築くのが目的」と前置きし、日本で韓国独立運動研究がさらに活性化することを期待すると述べた。
会議には両国の研究者を中心に70人余りが参加し、熱心に傍聴した。
(2016.10.12 民団新聞)