掲載日 : [2016-04-20] 照会数 : 7766
<朝鮮通信使>友好の精神を未来へ…静岡まつりで民団が行列再現
[ 朝鮮通信使の歓迎式「拝謁の儀」(静岡区役所前で) ]
【静岡】徳川家康による花見の故事にちなむ「静岡まつり」が1日から3日間、静岡市内であった。桜の花が咲くこの時期に毎年行われ、家康を偲ぶ。今年で60回目。2日には民団静岡本部(姜再慶団長)が色鮮やかな韓服に身を包んだ在日同胞と日本人約50人で朝鮮通信使行列を再現し、観覧席から大きな拍手を浴びた。
葵区の静岡区役所前では朝鮮通信使歓迎式が行われた。正使役を務めた民団静岡本部の李康成副団長は、「国書」交換の場で、「朝鮮通信使の平和交流にならい、民団としても静岡市の友好増進イベントに協力し、全力を尽くしていく」と伝えた。これに対して静岡市の小長谷重之副市長は、「朝鮮通信使は世界に誇れる素晴らしい歴史である。その友好の精神を未来につないでいきたい」と述べた。
朝鮮通信使に関する記録をユネスコ世界記憶遺産に登録しようと、両国の民間団体は3月30日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に申請した。副使役を務めた尹憲祚副団長は、「記憶遺産に登録されれば、静岡だけではなく日本各地で今日と同じようなイベントが開かれるでしょう。そうすれば両国はますます仲良くなれるはずだ」と期待している。
この日の来場者は約41万人を数えた。
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民団岡崎支部は「家康行列」参加
【愛知】民団岡崎支部(林昌元支団長)は10日、今年市政100周年を迎えた岡崎市の四季祭プロジェクト「家康行列」に「朝鮮通信使隊」として参加した。
旗手を先頭に、名古屋を中心に活動中の伝統音楽グループ「ノリパン」、武官、正使、上官、王妃、旗手の30人編成。伊賀八幡宮を出発し、本町通1丁目、籠田公園、東岡崎駅前を経由して乙川河川敷までの全長3・5㌔を行進した。人気を集めたのはあで姿の王妃役。沿道からは拍手が送られ、「アンニョンハセヨ!」とのかけ声も聞こえた。
林支団長は「ユネスコ記憶遺産に登録申請された『朝鮮通信使』を通じ、両国の関係がさらに深まることを願っている」と述べた。岡崎市は徳川家康生誕の地。「家康行列」は命日の4月17日に近い日曜日に開催されている。今年で57回目。
(2016.4.20 民団新聞)