掲載日 : [2016-05-11] 照会数 : 4378
<韓・イラン首脳会談>韓半島非核化で一致…北の核開発強く牽制
[ 2日の韓・イラン首脳会談後に共同会見を行った朴槿恵大統領(左)とロウハニ大統領 ]
朴槿恵大統領は1〜3日の日程でイランを国賓訪問し、2日には首都テヘランでロウハニ大統領、最高指導者のハメネイ師と相次ぎ会談、経済など多分野にわたり戦略的協力関係を発展させることで合意した。
236人の経済使節団をともなった朴大統領は、トップセールスを通じて輸出拡大への活路を開いただけでなく、国連安全保障理事会の制裁決議履行への協力を要請、イランと友好関係にある北韓を強くけん制することにもなった。両国の修交は1962年。韓国大統領のイラン訪問は初めてだ。(2面に関連記事)
ロウハニ大統領は会談後の共同記者会見で、「我われは世界中の、とりわけ韓半島と中東でのあらゆる大量破壊兵器、とくに核兵器の廃絶を求める」と述べ、「韓半島の平和統一を支持する」と明らかにした。イランの大統領が韓半島の非核化に言及するのは初めてとされ、名指しこそ避けながらも北韓の核保有に反対する立場を示したものと評価されている。
ハメネイ師も朴大統領との会談で、北韓問題に言及しなかったものの、「テロと地域の不安定問題を解決しなければ、未来はさらに難しくなる。地域の平和と安定のためにもイラン・韓国両国が協力していくことを希望する」と表明した。
ハメネイ師は89年に平壌を訪問し、金日成主席と会談したことがある。2013年にイランを訪問した金永南最高人民会議常任委員長に対し、金正恩第一書記を「前世代の首領の偉業を継承した方」と述べたともいう。北韓はイラン・イラク戦争(80〜88年)でもイランを支援するなど、両国は伝統的な友好関係にあり、軍事的にも緊密な関係を維持してきた。
朴大統領は帰国途上の記者懇談会で、「イランが北韓の核問題に対し、明確に公言したのはきわめて異例なこと」とし、「韓半島の平和統一に向けた韓国の熱望を支持してくれた」ことに触れ、「韓半島の非核化に今後、イランと協力していける可能性を開いた意義は大きい」と強調した。
イランは昨年7月、欧米中ロ6カ国との13年に及んだ核協議に「最終合意」した。イランが核開発を制限し、欧米は制裁を軽減・解除するとしたもので、この方式は北韓にも適用され得るとの見方が広がっている。朴大統領の訪問に際して韓国では、イランを通じて北韓に核放棄のメッセージが伝わるよう期待する声があがっていた。
(2016.5.11 民団新聞)