韓流時代劇が描かなかった闇に迫る、康熙奉著『謎めいた朝鮮王朝』がこのほど、双葉社から発売された。
朝鮮王朝時代の歴史ドラマで、魅力的な人物として描かれたトンイとイ・サン。著者は2人に焦点を当て、朝鮮王朝の正史『朝鮮王朝実録』の記述を追いながらドラマと史実の違いを解説している。
ドラマを通してトンイに好意的なイメージを持つ人は多い。だが、19代王・粛宗との出会いからして謎めいた女性であり、実際は、「聖女」仁顕王后と「悪女」張禧嬪の間に割って入って、もっとも権力に執着するなど、『朝鮮王朝実録』が伝えるトンイの姿は、生々しくドロドロしている。彼女は王宮の裏舞台で何を画策したのか。
本書は、2人が生きた時代を詳しく描写している。重大事件での王や高官の会話を再現、王位継承をめぐる骨肉の争いの背景などを紹介しながら朝鮮王朝の隠された真実に迫る。
定価900円+税。
問い合わせは双葉社・営業(03・5261・4818)。
(2015.5.13 民団新聞)