【埼玉】高句麗からの渡来人ゆかりの地、日高市で昨年、韓国白菜の種を使った試験栽培を試みた民団韓食ネット協議会(呉永錫会長、東京・新宿区)は20日、栽培に携わった高麗高齢者農業生産者集団を招き、日高市内で今後に向けた意見交換を行った。
昨年は4種計2500粒の種をまいたなかから2200の苗が育った。だが、実際に収穫に結びついたのは1736株。期待していたほどの豊作に結びつかなかったという生産者からは、「12月の収穫時期に寒さと干ばつが重なった。植え付けの時期をもう1週間早くすればよかった」と反省の弁。一方で、「白菜の成長そのものは悪くなかった。植え付け時期だけの問題なので、もう1回チャレンジしてみたい」という前向きな意見も聞かれた。
韓食ネットの側からすれば、今回の試験栽培を通じてキムチに最適な白菜を特定できたのは大きな収穫だ。今年はこの1種類にしぼり、本格的な契約栽培にもっていくことを希望している。
呉会長は「産地直送ということであれば、お客さんも喜ぶ。安心して栽培できる環境は整える。白菜を中心に今年は5000〜1万株を目標にしていただきたい」と希望を伝えた。高麗高齢者農業生産者集団では6月の総会に諮ると約束した。
民団韓食ネットの呉会長と韓基成専務はこの日、日高市役所に谷ヶ崎照雄市長を表敬訪問。
呉会長が「食を通じた韓日交流をさらに推し進めたい」と述べたのに対し、谷ヶ崎市長も韓国との間で民間交流に力を入れていくとの意向を示した。
(2015.3.25 民団新聞)