自前の施設建設を夢見て
韓国・朝鮮と日本に関する近現代史の専門書など5万冊を所蔵する関東でも有数の規模の私設図書館「文化センター・アリラン」(金容斗理事長・姜徳相館長、東京・新宿)が、蔵書の目録作成を急いでいる。
6年前、川口市から新宿に移転した。スペースの関係上、館内で閲覧できる書籍は5000冊前後にしかすぎない。残りは未整理のまま、埼玉県三郷市の倉庫で保管中。蔵書リストの公開は急務だった。
目録作成作業は現場の倉庫で一昨年から細々と始まった。専門の司書と本好きのボランティア5人がチームを組み、交替でパソコンを使い、1冊ずつについて書名など15項目を入力している。1日に処理できるのは70、80冊前後という。作業は来年まで続く見通し。
謝礼は交通費程度。牛房励さんは「授業料ゼロで大学に行かせてもらっているようなもの」と意欲的。古代史が専門という澤石晶子さんも「興味深い本ばかり」と作業そのものを楽しんでいる。
目録は完成次第、ホームページ上にアップしていく。そうなれば利用者は希望する本を自由に取り寄せられるようになる。
文化センター・アリランでは5、6年後、蔵書5万冊を置ける自前の施設の建設を夢見ている。敷地は篤志家から無償で提供を受けた。最近、資金の一部にと2000万円の寄付者も現れた。クリスチャンの宋富子副理事長は教会関係で講演を繰り返しながら、賛助会員(年間1口1万円)1万人の獲得をめざしている。
問い合わせは文化センター・アリラン(03・5272・5141)。
(2015.3.25 民団新聞)