掲載日 : [2022-11-23] 照会数 : 1811
2005年からスタートの「川越唐人揃い」実行委高齢化で幕
[ 榎本弥左衛門に扮した長島威さん(左)が「正使」にサツマイモと唐辛子を贈る「友好のセレモニー」 ]
【埼玉】「朝鮮通信使」をはじめタイ、エジプト、沖縄などの華やかな民俗衣装で仮装した人たちによる多文化共生・国際交流パレード「川越唐人揃い」(同実行委員会主催)が13日、川越市で行われた。2005年からスタート。実行委の高齢化のため今年18回目で幕をおろした。
「唐人」とは異国、すなわち、隣国の朝鮮国を指す。そもそもは1655年(明暦元年)に川越商人・榎本弥左衛門が江戸でたまたま第6回朝鮮通信使の行列に出会い、その感動を「川越唐人揃い」として再現したのが始まり。パレードもスタート当初から「復活!唐人揃いー朝鮮通信使」の副題を冠してきた。
今年、「朝鮮通信使」正使に扮したのは李美連さん(釜山文化財団代表理事)。通信使の楽隊を模したけやき学園の子どもたちを先頭に将来の国際友好を担う「こども通信使」、釜山・プニエル芸術高校の生徒たちで構成するプニエル舞踊団、埼玉在住タイ人クラブ、埼玉エイサー隊、ペウレ・ウタリの会、エジプト発祥のベリーダンスを披露するシャクティ、日高市のよさこいチーム「舞人」などが続いた。
江戸情緒漂う蔵造りの街並みが続く「実行委員会本部」前では「友好のセレモニー」が行われた。本部席で待機していた榎本弥左衛門役の長島威さんから「正使」の李さんに地元川越名物のサツマイモと唐辛子、李さんからは正使のマスコット人形が贈られた。
開会式では川越市の河合善明市長が「川越秋の風物詩」として定着した「唐人揃い」の終了を惜しんだ。実行委員会の江藤善章代表は「当初、誰一人として知らなかったこの『唐人揃い』や『朝鮮通信使』という言葉を、いまでは『誰もが楽しい行事』として覚えてくれている」と感慨に浸っていた。
(2022.11.23民団新聞)