在日同胞社会では民団の課外活動として趣味のサークルが確実な広がりを見せている。ジャンルはスポーツ、音楽、舞踊、パソコンなど様々。参加者はそれぞれのフィールドで自らの感性を磨き、人と人とのつながりを深めながら、さらには民団の活性化にも貢献している。こうした動きはこれからまますます増えていくに違いない。各地民団でも側面支援している。こうしたグループの中から代表的なものを紹介する。
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おそろいのフレアスカートとTシャツで練習に励むメンバー |
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体も心もくねくねに<フラダンス>…婦人会愛知・名南 笑顔、笑顔……ハワイアンソングに合わせて中腰でしなやかに舞いながら、感情を全身で表現している。見ていると心と体がぽっかぽかになり、寒い冬の日には、見ている者まで幸せな気分にさせてくれそうだ。
フラダンスはハワイの民俗舞踊。もともとは女神ラカに仕える巫女によって儀式の一部として踊られたものだという。婦人会愛知・名南支部(朴昌順会長)は、「参加者の年齢を問わず、体に負担をかけない。健康にも良さそうだ」と8年前、「ソルチャンゴ教室」から切り替えた。メンバーは8人。日本人も1人加わり、婦人会員と一緒になって練習している。みんな、「年齢を忘れるほど楽しい。フラダンスの曲が流れてくると、自然と体が動くようになった」と口をそろえる。
練習場には等身大の姿見を置き、腕の上げ下げや体のくねりなど、全身の動きをチェックしている。ふだんの練習衣装はフレアのスカートにTシャツだが、イベントともなると艶やかなドレス姿に変身する。すると、気持ちまでいちだんと若返るという。これまで、名古屋韓国学校の文化祭や中部国際親善マダンでお披露目し、会場を盛り上げてきた。練習は毎週金曜日午後2時〜。同支部会館。
問い合わせは民団名南支部(℡052・822・4016)。
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素人とは言わせない<韓国舞踊>…
婦人会愛知・春日井 婦人会春日井支部(鄭澄子会長)の舞踊部はセミプロ級。09年には第1回ソウル銅雀区庁長盃国民生活体育伝統舞踊競演会(同区伝統舞踊連合会主催)で韓国国内の予選を勝ち抜いた20組と競演、「扇の舞」で第2位にあたる最優秀賞に輝いた。同時にチャンゴ舞踊も金賞に選ばれた。
練習は週2回。部員8人がチャンゴ(土曜日)と舞踊(木曜日)で黄善花さんの厳しい指導を受けている。踊りの細かな部分や衣装の着こなしひとつにしても妥協を許さない。「踊りの指導は厳しいが、その成果が結果として現れた時は達成感を感じる」という。
舞踊部の歴史は13年。当初は婦人会会員を増やそうとキムチ教室や生け花教室などを3カ月単位で開いてきたが、なかなか続かなかった。だが、韓国舞踊だけは別だった。「まだまだ踊りを習いたい」という声に押され、継続している。
週2回の練習時間は組織活動を円滑に進めていくための情報交換の場。最近、次世代育成の一環としてオリニ舞踊部も発足した。民団の中部国際親善マダンでお披露目した。鄭会長は「舞踊部をオリニたちに継承してもらうことが夢」という。
問い合わせは民団春日井支部(℡0568・81・4508)。
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「ウリパラム」代表の兪暁久さん(手前)から指導を受けるメンバー |
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演奏ミスなんのその<チャンゴ>…
民団東京・大田 「ハップキタックンタルークンタキタックンタタタ……」。兪暁久さん(58、「ウリパラム」代表)がクッコリと呼ばれる簡単なチャンダン(リズム)を分解し、音を口唱で表現する。傍目には宇宙人と交信しているとしか聞こえない。受講者も「初めはまったく理解不能だった」という。ところが、いつの間にか、兪さんと同じような音を紡ぎ出している。
ただ習うのではなく、どんどん人前で演奏しようというのが兪さんの指導方針。練習を始めて1年にも満たない昨年2月には早くも、韓国から招聘した国楽公演の舞台でデビュー。司会を務めていた柳永美事務部長は、「ずいぶんと力強い演奏だった」と振り返る。
兪さんは、「農楽は庶民の暮らしの中から生まれた音楽。プロじゃないのだから楽しければいい。間違えたらにこにこしていればいい」と話す。
メンバーの一人、盧幸一支団長も「自分が楽しめばいいんだと聞いて安心した。おかげで度胸もついた」と笑った。民団東京・大田支部チャンゴ教室は、盧支団長と金長進副団長が、「韓国の芸術文化を学び、紹介できれば」と企画したのが始まり。「たとえ2人からでも始めよう」と09年4月に開講した。当時は区内で農楽を気軽に学べる場は少なかった。
盧支団長は「昔からサムルノリの演奏に接すると心にジーンとくるものがあった。きっと、みんなが見て感じる以上にやりたいと思っているはず。参加者は増えると確信していた」という。
結婚してから日本籍を取得したという50代後半の同胞女性は、偶然手にしたチラシを見て受講を申し込んだ。「小学生の時、花見の席でチャンゴのリズムに合わせて踊る同胞の姿が目に焼き付いている。もっと若いときから教わりたかった」という。品川区の焼き肉店にパート勤務する日本人の女性は、「リズムが一定でない。アンバランスなところが魅力。単純なのに奥が深い」と話す。
一時は90歳のハラボジが50代後半の子どもの付き添いを受けて通ってきたという。やはり、体のどこかに埋まっていたチャンダンの芽が少しずつ掘り出されたのだろうか。いまやメンバーは9人まで増えた。
地元の商店街のまつりや区のフェステイバルなどからひっぱりだこの人気。国際都市・大田区をアピールするのに一役買っている。
問い合わせは民団大田支部(℡03・3736・7061)。
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初心者を卒業していまは楽しむ段階に |
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すいすい年賀状作り<パソコン>… 民団奈良本部
民団奈良本部(趙政夫団長)のパソコン教室は講師からマンツーマンで指導を受けられる。受講生から「親切で分かりやすい」と好評だ。団員ならば受講料は無料。
梁愛子さん(66、婦人会奈良本部財政次長)は受講歴2年半。勤務先の会社を定年退職したのをきっかけに教室に通うようになった。当初「パソコン画面の立ち上げから教えていただきました」というほどの超初心者だった梁さんだが、いまはメール、ワード、エクセルをマスターし、棒グラフや円グラフで家計簿づくりを楽しんでいる。「ここにくればなにか一つ身につくので休んだことはありません」という。
秦美知子さん(68、婦人会奈良本部国際次長)は教室に通って1年半。この日は年賀状の作成の仕方を教わっていた。ハガキの中にウサギ2羽のカットを入れ、お好みの色をつけた。
「誰に出そうか?」。できあがったばかりの年賀状を前に思案するその表情は楽しそうだった。秦さんは「いつか思いどおりにパソコンを使えるようになって、自分専用のパソコンを買いたい」と話す。
開講は05年6月。講習会は毎月第2・4土曜日に開かれる。講師は初代が県本部の青年会長。その後、韓国からの留学生へとバトンタッチされてきた。いまは梨花女子大学を卒業して奈良女子大学大学院でスポーツ法学を学ぶ崔允敬さん(25、ソウル特別市)が担当している。
崔さんはマイクロソフト・オフィス・スペシャリストの資格を持つ。
問い合わせは民団奈良本部(℡0742・34・5067)。
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幼児から高齢者まで 登山
「広島歩こう会」
登山を通じて全国の在日同胞に仲間作りを呼びかけているのが「広島歩こう会」(金寿元会長)だ。体力に自信がなくてもOK。ある程度の高山まではゴンドラやリフトを使い、初心者や子どもでも自分たちのペースで登山できる。月1回の例会には幅広い年齢層からの参加が目立つ。
普段は広島近郊や中国地方の景観のいい山を選び、帰りには温泉に入り美味しい料理を食べて疲れをいやしている。ときには北海道の羊蹄山や青森の八甲田山、中部地方の北アルプス、九州の阿蘇山・高千穂などにも遠征してきた。このほか、年に1回は必ず韓国に足を伸ばすのがお約束ごと。これまでソウル市近郊や済州道の漢拏山などを踏破してきた。
リーダーの朴松男さん(65)は登山歴50年のベテラン。山を愛する人々が集う社団法人日本山岳会に属し、心と体の健康管理を図ってきた。いつしか日本各地で山登りを楽しむ同胞と交流したいと思うようになり、広島商銀と民団広島本部を通じて仲間づくりを呼びかけた。04年11月、「広島歩こう会」の記念すべき第1回例会には、幼児や高齢者の参加も見込んで広島近郊の深入山を選んだ。
会費はいっさいとらない。例会登山は強制するものではなく、参加費用も個々人でその都度、実費精算している。こうした緩やかなネットワークが口コミで伝わり、「楽に登れる山の会」として知名度を上げている。現在、固定メンバーは30人ほど。今年8月の北アルプス親睦登山では、長野県白馬村で同胞が経営する安曇野プチホテル「シオン」を集合場所としている。
問い合わせは朴松男さん(℡082・422・4841、FAX082・423・0535)。
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固い絆で結ばれたサッカー仲間たち |
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心身鍛えるオリニ仲間<サッカー>…ムグンファJr 毎日曜日、東京韓国学校の校庭はボールを追いかけるオリニたちの歓声でにぎわっている。「ムグンファ・ジュニア・フットボールクラブ」。在日本大韓蹴球協会(金英明会長)による同胞児童のサッカー教室だ。
クラブからの卒業生は数え切れない。代表的な選手が昨年7月、女子U20W杯で3位となった韓国代表の在日4世の康裕美さんだ。小2で入門。ボールと遊ぶ中で基礎を身につけ、めきめきと上達。中学で都の選抜に。高校からは韓国にサッカー留学し「いつか韓国代表に」との夢を実現させた。
ここ数年、韓国国体で在日同胞イレブンの一員として加わった選手も目立つ。オリニジャンボリー、地域でのオリニ会、同胞学生の母国訪問などにも参加。数年を経て学生会や青年会の役員や会員として同胞社会に戻ってきている例も多く、サッカーを通じた民団社会の次世代育成の場となっている。
発足は96年11月。2002年のワールドカップが韓日共催に決まったことで、サッカー熱が高まった。在日大韓蹴球協会で、「未来への道づくりとして在日同胞オリニたちのサッカークラブが必要」と役員の意見が一致した。オリニ土曜学校に通う5歳以上6年生までの児童を持つ同胞保護者に声をかけ、約20人でキックオフ。今は約40人
当初から一貫して指導を担ってきた在日2世の文暢燮監督(42)は「まずサッカーを好きになってもらうことが第一。そうすれば自然と上手くなっていく。なによりもサッカーを通じた仲間づくりが大切」と強調。
東京韓国学校の児童たちも多く入会している。中には駐在員らの子弟もいた。ある卒業生は帰国して数年後、突然、文監督を訪れた。兵役を終えて”一人前になった”という報告だ。「子どもの頃、仲間たちとボールを追いかけたことが、日本での一番の楽しい思い出だったから」だ。
文監督は「みんなが、弟やわが子のよう。立派に育っていく姿を見てこれほどうれしいことはない」と目を細める。都区内で同胞が多く住むのは足立、荒川などの「川の手」地区。一時は練習地を変えることも考えたが、ホームはあくまで東京韓学にこだわった。
「ここは、民団発祥の地であり、民族教育の殿堂ですから。この場所でオリニたちが育っていく姿を見たいですよね。とにかく、練習の場所を提供してくれた学校に感謝したい」
問い合わせは文監督(℡090・4959・2452)
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月1「水曜会」で在日の悩み相談…
民団岡山・児島分団 「在日の悩み、相談などどんなことでも腹を割って話し合える場」として発足した「水曜会」。歴史は40年。もともと1世の親たちが交流の場として始めたもの。現在はその子どもたちが継承している。名称は月1回、平日の第3水曜日に開催することからだ。飲食店などを経営している人に配慮した。会員は6人。69歳〜77歳の団員が在日の生き方や悩み事を話し合い、食事を交えながら親睦を深めている。
関係者のひとりはかけがえのない会だと話す。「ウリサラムは飾らない言葉で自分を赤裸々に出し、どんなことでも話し合える。みんなこの集まりを楽しみにしている」「きたんのない、普段のままの自分がだせる会。元気の源でもある」。
問い合わせは民団岡山本部(℡086・225・0826)。
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有段者を続々輩出中<書道>…民団東京・豊島 合い言葉は「みんなで楽しく」。民団東京・豊島支部(朴泰錫支団長)では現在、9つのサークル(教室)を運営している。韓国語講座以外では書道、舞踊・チャンゴ、卓球、パソコン(昼・夜2コース)。支部会館4階は夜8時まで毎日ほぼフル稼働状態。なかでも書道教室はスタートからすでに20年が経過。同支部サークルではもっとも歴史が古い。多いときは20人が通っていた。現在は婦人会のメンバーを中心に7人ほど。
習い始めてまだ2年という南光子さん(68)以外は全員有段者。指導にあたる檜村鋭心さん(読売書法展評議員、書海社審査員)によれば、師範の資格を目前にしている人もいる。
例会は月2回、金曜日の午後に開かれる。有段者は楷書、隷書、かなの各課題作品を家から持ち寄って添削を受ける。金良煕さん(80)は千字文から32文字を楷書でしたためている。趙香子さん(76)は、「書いていると夢中になれる。ストレス解消にはもってこい」と話す。南さんは「民団がチャンスを与えてくれているのに、これを利用しない手はない」とばかり、書道のほかにも舞踊・チャンゴ、パソコン教室に通う。
書道教室メンバーで婦人会豊島支部の会長も務める梁邦子さんは、「これまでに民団とつきあいのなかった人までが趣味の世界をきっかけに民団に足を運び、婦人会にもかかわるようになってくれた」と、相乗効果を喜んでいる。
20年以上も前から支部役員会で趣味のサークルを提案してきた仕掛け人の一人、李貞淑事務部長は、「皆さんが民団でしょっちゅう顔を合わせるから、自然と同胞としての情が生まれる。団員の間に輪ができ、絆も深まる。これはお金では買えない宝物。団費だってなにも言わなくても持参してくれるようになった」と話している。
李事務部長は、「今年は支部役員会でけん玉サークルを提案したい。けん玉は奥が深いし、子どもからお年寄りまでできるから」と、密かに案を練っている。
問い合わせは民団東京・豊島支部(℡03・3982・7161)。
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手習いに励む南光子さん(左)とメンバー |
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1世の伝統引き継ぐ 囲碁民団福岡・小倉 北九州韓国会館(民団小倉支部)で韓日親善交流碁会「むくげの会」の定例会が、毎月開かれている。現会員は在日同胞9人、日本人9人。メンバーは50〜60代が中心。例会の開かれる第3土曜日には、盤上で熱戦を展開している。
北九州における同胞の囲碁熱は歴史が長い。もう20年以上も前から1世世代が、各支部持ち回りで楽しんでいたところ、民団小倉支部の団員の同好会が囲碁の伝統を引き継ぎ、2世世代を中心として09年11月に同会を立ち上げた。北九州市が主催した10年10月の「西部ガス杯北九州市民囲碁まつり」では14勝6敗で総合3位入賞。団体戦に限っては4戦全勝だった。
「むくげの会」の全光雄会長は、「市内の強豪が勢揃いした本大会でのこの成績は、本会のレベルの高さを示すもの」と胸を張った。
同会館は繁華街にあって交通の便もよく、文化庁が日本棋院と主催した「みんなで学ぶ楽しい囲碁入門教室」の会場にも選ばれた。現在も関西棋院の主催する子どもを中心とする囲碁教室の会場となっている。
朴燦永支団長は囲碁を通じて地域社会との絆をさらに強固にしていきたいと話している。
問い合わせは民団小倉支部(℡093・561・3965)
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世代交代も円滑<ソフトボール>…民団愛知中村支部 体育会中北本部主催の愛知韓国人ソフトボール大会は今年で28回目。民団愛知本部管内の全14支部が優勝をめざして日々練習に励んでいる。
民団中村支部チームは平均年齢30歳と、若さではダントツ。10年度は2部で念願の優勝を果たした。これは6年前に世代交代を果たした成果だった。選手の世代交代は民団支部の役員構成とも連動している。メンバー13人のうち5人は民団の役員にも就任している。
チームコーチの馬竜勲さん(58、民団中村支部監察委員長)は、「『この指とまれ』というふうに強制するのではなく、自主的に集まるよう仕向けた。結果的にはそれが絆になったし、組織活動にも役立っている」と強調する。
昨年5月からは尾張地区の近隣7支部に呼びかけ、練習試合も行っている。これは本番前の「ミニ大会」だ。選手は「練習を通じて同胞と交流ができるのがいい」と口をそろえる。ソフトボール活動はいつも身近に在日の存在を意識する場となっている。ある選手は、「少しずつ同胞とのつながりをつくる場にしていきたい」と話す。
問い合わせは民団中村支部(℡052・451・4722)。
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婦人会大阪本部の「文化発表会」(大阪韓国人会館) |
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コンサートにも意欲<コーラス>…婦人会兵庫・大阪・滋賀婦人会兵庫本部 近畿地区の婦人会本部では、趣味のコーラス部の活動も盛んだ。若い世代を婦人会活動へと誘う窓口の役割も果たしている。兵庫は活動をスタートさせてすでに21年目。昨年12月は宝塚市内のホールで20周年コンサートを開いた。
初めは歌を通して韓国の文化や歴史に触れようという文化活動の一環だった。音楽は二の次。部員の声がそろわず、当時から指導にあたる韓洋雄さんを手こずらせたが、それぞれ音域毎のパートに落ち着くと自信を持つようになった。メンバーに聞くと、「歌うことで婦人会活動に取り組む元気が生まれる」「練習でみんなと心と心を通わせることができる」といった声が聞かれた。
金彩玉会長は、「若い人たちがコーラス部に魅力を感じて、婦人会活動の輪に加わってくれたら」と期待している。
問い合わせは婦人会兵庫本部(℡078・643・3676)
婦人会大阪本部 韓国語教室に通うオモニたちの発音の手助けになればと、音楽の時間を取り入れたのが婦人会大阪コーラス部のスタートだった。今年で19年目。初めのうちは思い通りの声がでなかったものの、練習を重ねるごとにのびやかな声を出している。
練習は週1回。部員27人が大阪韓国人会館に集い、各パートに分かれて練習を重ねている。昨年は普段の活動の成果を聴いてほしいと、本部会館で6曲を披露した。同本部独自の文化発表会はこれが初めて。会場から「素人とは思えない」と大きな拍手が送られた。
金濱子会長は、「部員が一つになって曲を歌いあげることで組織の団結につながり、これからの活動にも生きてくる」と思いを語った。
問い合わせは婦人会大阪本部(℡06・6371・3894)
婦人会滋賀本部 婦人会滋賀本部(閔斐朗会長)では、コーラス部に入会したことで婦人会の活動にも参加するようになったという会員もいる。婦人会滋賀にコーラス部が誕生したのは87年。前年の光復節式典第2部では民団各支部が合唱大会で競演した。閔さんはそのときにピアノの伴奏を受け持っていた。
練習は毎月第1・3木曜日の2回。韓国の歌曲や民謡を歌うことで普段使わない単語を発音したり、その意味を覚えることで韓国語の勉強にもつながると入会してくる。閔さんは「文化活動をきっかけに若い世代が婦人会で活躍してくれることを願っている」と話す。
問い合わせは婦人会滋賀本部(℡077・524・3639)。
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作品を前にする「あんでるせん」会員 |
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細かい手作業でボケ防止効果も 手工芸婦人会岡山・倉敷 材料は新聞の折り込みチラシや段ボールなど、基本的には身近なものばかり。お金はまずかからないといっていい。はさみやカッターなどを使った細かな手作業を伴うものの、紙ひもカゴやペン立てなどの作品ができあがったときの達成感は格別だという。作品はどれも懐かしく親しみがある。
作品づくりに励んでいるのは、婦人会岡山・倉敷支部(河己南会長)の会員有志でつくるサークル「あんでるせん」。名前の由来は、カゴなどを「あんでる」と、「染める」の文字を「せん」として読み、両方を併せてひらがなで「あんでるせん」としたという。
昨年5月、会員10人で発足。月2回のペースで民団支部会館に集まり、日本人の先生から指導を受けている。参加者によれば、「指先を動かすのでボケ防止になる」「婦人会員とよもやま話ができて楽しい」「この楽しさをほかの会員に知ってもらいたい」と話す。
身近な材料を活用したこの紙工芸は、かつてはどこの家庭でもやっていたもの。金光加代さん(65、金英雄民団岡山本部団長夫人)も、実母が自宅でこの紙作りをやっていたことを記憶していた。話を聞いた婦人会有志がそれならと飛びついた。
とはいえ、初めのうちは慣れない作業に肩に力が入った。指先の皮がめくれ、水ぶくれができたことも。慣れ親しむうちにサークル活動が「楽しい時間」に変わっていった。
昨年の民団支部の敬老会では、みんなで丹誠をこめてつくったかごに、仕上げのニスを塗り、手土産として手渡した。メンバーはお年寄りたちのうれしそうな笑顔が忘れられないという。
問い合わせは民団倉敷支部(℡086・444・6756)。
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出会いのマダン目指す<同窓会>…
青年会OBOG会 名称のとおり、かつて青年会会活動を経験した40〜50代のOBOGが中心。しかし、それだけではない。様々な事情から民団行事に参加したことがない同胞にも声をかけている。面積が広く、同胞が少ない北海道では貴重な出会いの場となっている。集まるのは札幌在住者を中心に、冬道1時間かかる岩見沢、小樽からも。また、あすか信組札幌支店(谷山成浩支店長)も職員の参加に協力している。
例会は年に1回のボウリング大会や飲食が中心。参加者の負担にならないよう、開催は年に3〜4回ほど。会社員、主婦、タクシー・バスの運転手、看護婦、教師、フリーターなど毎回10〜15人が参加している。男女比は4対6で女性が多い。主催者側は初めて参加した人が孤立しないように気を配り、開催日も、民団行事と重ならないよう工夫している。
世話人を務めている金源柱さん(50、会社役員)は青年会北海道本部の元専従活動者で、青商の元会長。4、5年前、かつての青年会仲間との「花見」の中で「会社員が参加しやい場作り」を相談したとき、「気軽な飲み会」の開催・呼びかけの必要性を痛感したのが始まりだった。
07年に全国OB連絡会が設立されてからは、さらに積極的に動き、地方から札幌に転居したり民団に出たことがないという同胞、また韓国関連番組の日本人メディア関係者をも、飲み会に誘うようになった。当時は青年会が再建され青商も活動していた。しかし、こうした団体に参加する機会に恵まれない同胞たちもたくさんいた。OBOG会は内輪の同窓会的要素だけでなく、「気軽な出会いのマダン」を提供したかったという。
金さんは、「北海道でOBOG会の動員力、影響力は小さく、自己満足といわれるかもしれません。でも組織活動の行き届きづらい部分を少しでも補填しているという、ささやかな自負心はある。会への参加がきっかけとなって、同胞間の絆の楽しさ、民団行事へ参加するきっかけ作りになってくれれば」と期待している。来年からはミクシーなども使って、会の存在や情報交換の場をさらに広げていく。
問い合わせは金源柱さん(℡090・3392・2432)。
(2011.1.1 民団新聞)