【ソウル】李明博大統領は3日に青瓦台で「新たな10年、世界一流国家に向けて跳躍しよう」と題して行った新年国政演説で、「北韓の延坪島砲撃の前と後とでは、同じであるはずがない。これからしっかりとした安保に土台を置いた平和政策と統一政策を樹立し実践しなければならない。さらには北韓の同胞たちを自由と繁栄の長征に参加させるために努力すべきだ」と強調した。
李大統領は「挑発には、断固かつ強力な懲らしめがあるのみだ。北韓が挑発を思うことすらできないように、確固たる抑止力を備えなければならない。そのために国防改革にさらに拍車をかける」と明らかにした。
同時に、「軍事的冒険主義によって得るものは何もない。民間人に砲撃を加え同族を核攻撃で脅しながら民族と平和を論じることはできない」と力説。「北韓の核開発は韓半島平和と世界平和に大きな脅威だ。国際社会も北韓が核をあきらめて共栄の道に出られるように共に努力しなければならない。関連国の公正で責任ある役割がいつになく重要だ」と指摘した。
さらに、「北韓は平和と繁栄に向けた民族の願いと国際社会の要求を受け入れなければならない。核や軍事的冒険主義を放棄しなければならない。言葉だけでなく、行動で平和と協力のために努力しなければならない」と呼びかけた。「平和の道はまだ閉ざされていない。対話の扉もまだ閉められていない。北韓が誠実さを示せば、我々は国際社会とともに、経済協力を画期的に発展させていく意志と計画を持っている」と述べ、北韓の態度変化を促した。
李大統領は、「今年の国政運営の二つの柱」として「安保と経済」を挙げ、▽5%台の高成長▽3%水準の物価安定▽良質な雇用創出および庶民・中間層の生活向上を経済運営の3大目標に掲げた。
自由貿易協定(FTA)と関連しては、世界の「通商中心国」になるための強力な手段だと説明し、FTAを土台に世界での経済領域を広げるべきだと強調した。特に、昨年末に最終妥結した米国とのFTAは、韓国が世界の通商中心国に跳躍する象徴的・実質的な契機になるとし、日本、中国とのFTAも推進に拍車をかけると表明した。
(2011.1.12 民団新聞)