海兵隊入隊が決まった人気俳優ヒョンビンが、特別な配慮を受けない戦闘兵科で堂々と服務する。全志願者の最高齢でありながら、体力テストでは30点満点の29点を記録、5位に入る立派な成績だったとのこと。
プロスポーツ人や芸能人のほか、高位層の子弟に兵役逃れが目立つだけに、韓国社会は「ノブレスオブリージュ」の手本として称賛を惜しまない。日本の韓流ファンからも熱い視線が注がれている。それらをよそに本人は、「関心を持たれたり、褒められたりする問題ではない」と淡々としているという。
海兵隊は志願者のみで構成され、最強度の訓練を課されることで有名だ。服務期間は21カ月。昨年11月の北韓による延坪島無差別砲撃以来、海兵隊志願者が急増し、今回の倍率は過去最高の4・5。奇襲攻撃の砲弾が間近で炸裂するなか、K‐19自走砲に乗り込んで反撃する海兵隊員の姿が、男心を、国防意識を刺激したと分析されている。
兵務庁では、ヒョンビンの海兵隊志願が兵役義務履行文化の拡散に大きな意味を持つと期待する。軍紀の緩みや職業軍人のサラリーマン化が散々問題になった国軍にとっても、士気高揚の刺激剤になるだろう。
しかし、注目を浴びすぎているだけに、心配もある。30歳の彼が20代前半の隊員たちに伍して長期間、同じ訓練・任務に耐えられはずがない、との視点から鵜の目鷹の目で難点を見つけ出し、当人を貶め軍を傷つけようとする人たちがいるからだ。
ヒョンビンには他の隊員とは異質な強いプレッシャーがかかる。だが、海兵隊は一切の庇護・区別を排すだろう。一兵卒として奮闘し、人生最高の大舞台に仕上げてもらいたい。(P)
(2011.1.26 民団新聞)