民団中央本部はこのほど文部科学省を訪れ、91年以降、「期限を附さない常勤講師」として採用してきた外国籍教員を羈束的に教諭とするよう求める高木義明文部科学相宛ての「要望書」を提出した。併せて、外国籍教員の管理職任用試験の受験を認めるよう求めている。
韓日両国外相が91年1月、在日韓国人の公立学校教員採用への途を開いた「覚書」を交わしてから今年で20年。この間、在日韓国人教員の身分の安定や待遇に配慮するとした「覚書」の精神に反して、外国籍教員を教諭として採用してきた愛知県、三重県、滋賀県、大阪府、京都府、兵庫県、大阪市、京都市などでは「期限を附さない常勤講師」としてのみ採用するといった後退現象が続出している。
はなはだしくは主任・副主任として任命しながら、後になってこれを取り消させるということすら起きている。これは「覚書」の文面の中の「国籍による合理的な差異」のみを捉えたことによるもので、現場の教員からは「覚書」が締結されてから身分が後退したといった不満が出ていた。
文科省に要望書を提出した民族教育委員会の李秀夫委員長ら民団の代表団は、これらの問題について話し合いの場を設けるよう訴えた。
(2011.1.12 民団新聞)