「古代ロマン塾」
【大阪】旧猪飼野地区を中心に史跡探訪や学習会を通じていにしえからの韓日交流に思いを馳せている市民グループ「古代ロマン塾」(姜信英代表)は1日、百済から渡来した昆伎王を祭神として祀る飛鳥戸神社(羽曳野市)を訪ね、祭祀を営んだ。祭物は鶴橋本通商店街で韓国食堂を営む鄭斗葉さんが奉納した。
伽 琴の演奏が流れるなか、民団八尾支部の朴清支団長をはじめ17人が拝礼を行った。姜信英代表は、「祭神の昆伎王が渡来人と知った氏子らの韓日親善を願う気持ちから、実現できたと感謝している。日本の神社で韓国の拝礼を行ったのはおそらく初めてだろうと思う」と話している。
昆伎王は百済21代の蓋鹵王(455〜475)の弟にあたる。飛鳥の地に定着して飛鳥部造(あすかべのみやつこ)となり、後世になって飛鳥大神と称された。佐賀県唐津の沖合いの加唐島(かからじま)で生まれた子どもは、後の百済25代の武寧王。
朴清支団長は、「神社での正月拝礼に初めて参加しましたが、祭祀を通して交流が広がっていくことを期待しています」と語った。また、山本知史さん(大阪市中央区)は、「大阪の中心を外れた羽曳野の地に『飛鳥』の名を拝した神社があったことにびっくりした。奈良ではなく、この付近に渡来人の子孫がいたなどということは思いもよりませんでした。埋もれてしまった歴史にちょっと触れられたような気がします」と話していた。
(2011.1.12 民団新聞)