掲載日 : [2016-07-27] 照会数 : 5669
<婦人会東京>3つの特別講座新設…充実の「国際伝統文化教室」
[ コーラスには河貴明会長(右)も参加している ]
[ 美術の指導にあたる高正姫さん(左) ]
婦人会東京本部(河貴明会長)の「国際伝統文化教室」(東京・港区の韓国中央会館内)に「コーラス」、「美術」、「書道」の3つの特別講座が加わった。河会長が受講生の多様な学習意欲に応えようと、今春から相次いで新設した。「コーラス」には20代の新定住者も受講しており、各教室とも相対的に若返りが目立った。講座はこれからさらに増やしていく計画だ。
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コーラス
3つの講座はすべて毎週木曜日の開講。午前中の「コーラス」教室は作曲家で合唱団の指揮者としても活躍している李勝熙さんが指導している。
まず7人全員が準備体操で体をほぐし、入念な発声練習を重ねる。現在の課題は韓国の童謡「パンダル(半月)」や日本の歌曲「夏の思い出」など親しみやすい曲が中心だ。
50代の伊澤明子さん(千葉)は「韓国が大好き」という日本人。「韓国語で歌うのが新鮮。みんなの力が合わさって完成するのが楽しい」と話す。
都内在住の新定住者、閔智さん(24)は母親の金英愛さん(48)と一緒に学ぶ。韓日両国の歌を学べるのが魅力という。鄭京熙さん(67)は3つの講座すべてを受講している。「国際伝統文化教室」の会員になったことがきっかけで、民団世田谷支部に団員登録した。
受講生は10月13日に東京・新宿の韓国文化院で開催される発表会に「在日日韓女声合唱団」の一員としてゲスト出演、5月から積み重ねてきた練習成果を初披露する。
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美術
午後の「美術」教室を担当する高正姫さんは東京韓国学校中・高等部の元校監。同校で約40年間、美術教師を務めてきた。「絵筆を握るのは学校の授業以来」という受講生の持ち味を巧みに引き出している。受講生は現在、40、50代の7人。
高さんは「失敗を喜びに変えるのが指導」と話す。受講生の描いた平板とも思えたアクリル画の森が、高さんの指導を受けて最後は深い陰影を感じさせる作品に仕上がった。受講生は作品をスマホに収録し、満面の笑顔を見せていた。
朝鮮王朝時代の民画も高さんが得意とするところ。別の受講生は韓国で幸せと健康を運んでくると言い伝えられている蝶々をモチーフに色彩豊かな作品に仕上げた。
たまたま美術教室を見学に来ていた周京秀さんは、講座の明るい雰囲気が気に入ったと見えて、その場で入会を申し込んだ。高さんとこれら受講生たちの作品は8月13日から、ソウル市庁舎内ギャラリーで展示される。
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書道
書道教室は夕方から。日本の書道とハングル書芸を同時に取り入れているのが珍しい。ハングル書芸は美的完成度が高い宮書体を主に学ぶ。宮書体は朝鮮王朝時代、宮中の女性たちが使っていた字体をもとに整理されたといわれている。受講生は4人。
指導にあたる金周會さんがハングルと楷書で書いた手本をいくつか受講生に配る。テーマは「大暑」、「清涼」といったこの時期らしいものが目立つ。
受講生の一人(67)は中学時代にハングル書芸を少し学んだことがある。それでも「縦の線をそろえるのが難しい。母音と子音のバランスにも気を遣う」と話す。4カ月目に入り、いまは楽しみながら書けるようになったという。魅力は「雑念を払い、字だけ考えて集中できるのがいい」と話す。
金さんは日本の字を韓国へ、ハングルを日本へ普及するのが自らのライフワークだという。
国際伝統文化教室のカリキュラムにはこのほか、韓国舞踊、韓国民謡、オリニ舞踊、チャンゴ演奏、カヤグム演奏、韓国カラオケなどがある。
受講問い合わせは婦人会東京本部(03・3454・8190)。
(2016.7.27 民団新聞)