掲載日 : [2007-09-12] 照会数 : 10154
国体史上初の女性引率団長 金順英さん
海外5連覇へ静かな闘志
金順英さん 体育会中央本部副会長
第88回全国体育大会に選手団120人を統率して参加することになった金順英さん(57)。国体の女性引率団長は、在日同胞が選手団を派遣してから54年目にして初めて。著名人や経済人から選ばれるというこれまでの慣例を打ち破ったのも異例だ。
「オモニ、オンニの立場で選手の体調管理」
体育会のエンブレム入りの制服がよく似合う。すらり筋肉質で、どこか宝塚の男役を思わせるりりしさ。これは学生時代から今日までバスケット、ボウリング、ゴルフと多くのスポーツに親しんできたためだろう。
バスケットは韓国で国民銀行在籍時代に実業団代表として活躍。韓国国体では10年以上にわたって在日同胞選手団の女子監督を務め、選手としてもボウリングで銅メダルを獲得した。趣味のゴルフもセミプロ級。一緒にラウンドする同胞商工人から一目置かれている。引率団長に選んだある体育会関係者は「うちのなかでいちばん経験がある」と手ばなしのほめよう。理事会では満場一致の推薦だった。
金さんは「引率団長より監督のつもり。団長という気持ちはこれっぽっちもありません」ときっぱり。女子監督時代も「オンニ、オモニ」として選手の体調管理に努めてきた。その細やかな気配りで国体が終わった後もつながりは切れない。ライバルは米国同胞よりも最近、台頭著しい中国同胞だという。新種目の卓球は中国に分がある。選手として、女子監督として長年培ってきたたぐいまれな経験で海外5連覇に挑む。
(2007.9.12 民団新聞)