掲載日 : [2007-11-28] 照会数 : 5576
<布帳馬車>指導者の条件とは
焼酎のお湯割りがうまい季節だ。気のおけない連中とほろ酔い気分になれば、時節柄、話題は自然と韓国大統領選挙に向かう。
「韓国人が2人集まると3つの政党ができる」を地でいく与党系。敗北の轍を踏むかのように、分裂候補が出てくる野党。「おれが、おれが」という独善と傲慢、そしてネガティブキャンペーンのオンパレード。酒の肴には事欠かない。
ハンナラ党の李明博候補は最近、党内競選に僅差で敗北した朴槿恵前代表に、政権交代と国政運営のための政治的パートナーになってほしいと申し出た。だが、遅かったのだろうか。敗者への配慮によって党内結束を図るべきだった李明博候補側は「無条件降伏」と錯覚したわけでもあるまいが、傲慢と独善で党の分裂を深め、李会昌氏の反則気味な出馬を許した。
そう言えば在日組織にも、選挙に僅差で勝っただけなのに、相手側候補に人格で圧倒した気になり、組織を私物化する独善的運営で分裂を招き、選挙時の支持者から愛想をつかされても平然とするトップの例には事欠かない。そういう人物ほどまた、その地位にしがみつく。
圧倒的多数から支持される指導者の条件とは、独善と傲慢という4文字の誘惑に勝てる人格を持つこと、なんて御託を並べても結局、権力の座というのはそういう人物を寄せ付けないのかもしれない、という結論に落ち着く。そしていつしか、ほろ酔いも悪酔いに落ち着くことになる。(B)
(2007.11.28 民団新聞)