掲載日 : [2007-09-26] 照会数 : 8540
斎場で1年置き去りの同胞遺骨 民団が引き取り
[ 祭壇を前に金源奉城東支部議長(左) ]
民団城東支部「有志の会」…望郷の丘移葬へ
班長として貢献
【大阪】民団大阪・城東支部(安市太郎支団長)で25日、秋夕に合わせて団員の故呉再珍さん(88)を偲ぶチェサがしめやかに執り行われた。
呉さんは脳梗塞と慢性心不全を患って病院で療養していたが昨年10月、誰にも看取られることなく他界した。引き取り手のない遺骨は、しばらく城東区の斎場が預かっていた。今月下旬で1年間の預かり期限が切れることになり、民団の知るところとなった。
同支部によれば、呉さんは肉体労働者として長年北海道の炭鉱で働いてきた。廃坑とともに大阪に移り、転々と職を変えながら生活してきた。生活苦の一方、班長として同支部に長年にわたって貢献してきたという。
同支部は故人の功労に報いようと、「望郷の丘有志会」(邊基柱代表)に相談した。邊代表は、「民団に貢献してきた末に孤独死に至る独居者は、ほかにもあると思う。在日の手でできること、民団ができることはできる限り協力していきたい」と協力を約束した。
有志会は昨年11月に日本に縁故者のいなかった故金聖三氏の遺骨を引き取り、有志でお金を出し合って「望郷の丘」に奉還したのがきっかけで最近、正式に発足した団体。呉さんの遺骨は27日、望郷の丘に移葬される。
(2007.9.26 民団新聞)