掲載日 : [2004-06-09] 照会数 : 10128
新居浜市・一般職の国籍要件撤廃 消防除く全職種も(04.6.9)
川崎同様に任用には制限
【愛媛】愛媛県新居浜市(佐々木龍市長)は04年度の市職員採用試験から消防職を除くすべての職種について国籍要件を撤廃した。愛媛県内での一般職開放は県と県内12市で新居浜市が初めて。民団新居浜支部(宋喜龍支団長)の地道な韓日交流への貢献が市職員採用時の門戸開放につながったものとみられている。
新居浜市は02年から韓国の坡州市との間で中・高校生のサッカー相互交流を続けている。両国の間に立って通訳など地道な裏方業務をこなしてきたのが民団新居浜支部の李晃淳副団長をはじめとする三機関役員たちだった。
回を重ねるにつれ佐々木市長自身、同支部の存在と役割をこれまで以上に高く評価。同支部役員も市長との間で意見交換の場を持つなど、両者の間で確かな信頼関係が築かれていった。市総務課でも、今回の門戸開放が任命権者たる市長自身の判断に負うところが大きかったことを率直に認めている。
今年度から外国籍住民が受験できるのは一般事務、土木技術、保育士など。昨年度までは一切受験を許されてこなかっただけに、全面的な門戸開放となる。
ただし、神奈川県川崎市などと同様、任用には制限を設けており、税金の賦課や徴収、生活保護の決定、土地収容、立ち入り検査といった国の見解である「公権力の行使」にあたる職務には就けない。これら職務は同市66課のち16課の業務にまたがる。また、「公の意思の形成への参画」に携わるとして決済権を持つ課長級以上の昇進も認めていない。
佐々木市長は「市内在住の外国人から国籍による差別に対する批判の声を耳にしてきた。撤廃が進む全国の一例に加わることで将来的に任用制限なくなっていけば良いと思う」と話している。14日から募集が始まる採用試験から実施する。
宋支団長は「これを機会に近隣の西条市、四国中央市でも公務就任の壁を崩す運動をしていきたい」と意欲を燃やしている。
(2004.6.9 民団新聞)