掲載日 : [2004-07-14] 照会数 : 8731
熱い韓流 民団会館席巻 韓国語講座が満ぱい(04.7.14)
[ 民団会館をぎっしり埋めた韓国語受講生(民団長野・松本支部) ]
各地で在日受講生も増加
ドラマ「冬のソナタ」に代表される韓国製エンターテイメントをきっかけに社会現象化した「韓流」の勢いが、語学学習の現場にも飛び火した。各地の韓国会館で開催している韓国語講座は地方を中心に活況を呈している。相乗効果で日本人ばかりか、在日同胞の受講生も増えているのが特徴だ。
愛知韓国会館で行われている韓国語講座は定員いっぱいでいまだに「ウェイティング状態」が続いている。同本部では今年の夏季学校募集に例年にない20人の志願者が集まったのも「冬ソナ」の影響と見る。姜裕正同事務局長は「今年は少なくとも動員の苦労だけはしなかった。父母が一度は韓国へ行ってみなさいと子どもたちを説得してくれたようだ」と述べた。
北海道韓国会館ではこの3年間、韓国語受講生が増える一方だ。初年度100人余りが2年目で200人を超し、今年は324人に達した。同本部では受付を早々に打ち切るとともに昼と夜に初・中・上級の3クラスに分けて急場をしのいだという。「土曜学校」「韓国料理教室」も含めたすべての登録者は368人。
民団大阪府本部の韓国語講座でも昨年、今年と2年連続で新規受講者が50人を超えた。鄭炳采文教部長によれば、受講生の間でビデオやCDの貸し借りをしたり連れだって韓国料理の店を訪ねるといった「様々な広がりが見られる」とのこと。
民団静岡・浜松支部の李康成事務部長も「韓流」の熱い息吹きを体感している一人。「『冬ソナ』は韓国への偏見や差別意識が根強い中年以上の人たちもとりこにした。これは画期的なことですよ」と話す。
同支部では受講希望生の増加に応え、2月から新たに夜間の講座も始めた。李事務部長は「韓国の宣伝になるなら」と忙しさも苦にしていない。 韓国会館の存在がいままで以上に地域社会で認知されたことで、韓国語の講師派遣の要請も目立つ。
特定非営利活動法人民団長野国際協力センターは朝日村の村民からの強い要請を受け、8日から地元の公民館に講師を派遣している。受講者は25人。隔週5回で簡単な会話ができるまでを目標としている。
民団大阪・大東支部でも地元の四条畷市立田原小学校のPTAから「韓国語を勉強したい」との要望を受け薜文教支団長が「初めてのハングル教室」開設に一役買った。6月29日、市内の施設で開かれた講座には70人以上の保護者が集まった。講座の締めくくりに講師が「冬ソナ」のCDを流すと会場から大きな歓声が上がった。
(2004.7.14 民団新聞)