【ソウル】北韓による西海での哨戒艦「天安」撃沈事件から1年の3月26日、犠牲となった乗組員46人と捜索活動中に殉職した海軍特殊部隊員1人を悼む行事が韓国各地で行われた。
犠牲者の遺骨が安置された国立墓地・大田顕忠院では午前10時から遺族ら約4500人が参加して追悼式が開催された。事件を振り返る映像が流され、李明博大統領や各政党代表、韓米両軍幹部らが犠牲者の遺影に献花した。
李大統領は、25日に青瓦台で主宰した拡大秘書官会議で、天安艦撃沈事件について、「1年前、私たちは加害者である敵の前で国論が分裂した。胸が痛む出来事だった」と表明、「しかし、大きな変化があった。国を愛する心も変わり、国をどのように守るべきかに対する考えも随分変わった。特に若者がほかの世代よりも進んでそうした変化をリードしている」と指摘した。
さらに「事件を痛みや悲劇としておくだけではなく、それが分断された韓半島の現実であることを自覚し、新たな覚悟で徹底的に備え、より剛健な国に生まれ変わる新しい出発点としよう」と呼びかけた。
政府は、24日に刊行した「天安襲撃事件白書」で、海軍は哨戒艦の沈没前、母艦機能をもつ潜水艦艇の姿が北韓の海軍基地から消えたことを把握しながらも、対潜警戒態勢強化措置を取らなかった、と初期対応の誤りを認めた。白書は、事件発生時の状況と事件後の処理、事件の原因究明の過程と調査結果、犠牲者の待遇・補償、政府の対応、国民との意思疎通といった内容からなる。
北韓の奇襲の可能性に対する不十分な情報分析と粗雑な対応で、攻撃を受け沈没したと分析。軍と政府が初期対応でさまざまな問題点をさらけ出し、しかも釈明に汲々としたメディア対応で国民の不信を招き、その後も国民との意志の疎通不足などで、各種の疑惑や混乱を招いた面があると厳しく評価した。
(2011.4.6 民団新聞)