日本初演 国際結婚先駆けの日本女性ドラマ
元宝塚歌劇団星組トップスターの在日韓国人3世、安蘭(あらん)けいさんの出演するミュージカル「MITSUKO」が5月15日から大阪、名古屋、東京の3都市で上演される。
同作品は05年12月9日、日本・EU市民交流年を記念し、ウィーンで1日限り開催された伝説のミュージカル。10年3月にはコンサート版が日本で上演された。今回は完全ミュージカル版として、世界に先駆けて日本で初演される。
1892年、当時18歳だった青山光子は、オーストリア・ハンガリー代理公使のハインリッヒ・クーデンホーフ・カレルギー伯爵と出会う。親の反対を押し切り、日本人初の国際結婚を果たし、国境を超えた。
ヨーロッパの伯爵夫人となり、7人の子どもの母となったクーデンホーフ光子。次男のリヒャルトは、ヨーロッパ統一を謳う「パン・ヨーロッパ運動」の創始者となるが、光子の意に反する相手の結婚で、家族間には葛藤が生まれる。この作品では親子の数奇な運命の物語が描かれる。
クーデンホーフ光子のドラマチックな生涯を演じる安蘭けいさんは、宝塚歌劇団時代から、抜群の歌唱力と柔軟な演技力を発揮し、高い評価を得た。退団後、女優として活動の場を広げている。
夫ハインリッヒを演じるのは、ウィーンで開催された「エリザべート」のトート役、ラテ・カマラスさん。また、リヒャルト役は、新人の辛源さんとジュリアンさんのダブルキャストで挑む。
大阪公演=5月14日〜23日(全10回)/梅田芸術劇場メインホール。S席1万2000円、A席9000円ほか。問い合わせは同劇場(℡06・6377・3800)。
名古屋公演=5月27日〜29日(全4回)/中日劇場。A席1万2000円、B席7000円。問い合わせは同劇場(℡052・263・7171)。
東京公演=6月11日〜29日(全21回)/青山劇場。S席1万2000円、A席9000円ほか。問い合わせはキョードー東京(℡0570・064・708)。各公演とも詳細は要確認。
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国境越え助け合う時安蘭さんがメッセージ
この度の震災におきまして、被災地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。
今、自分にできることは舞台を通じて、そしてエンターテインメントの世界を通じて、皆様に夢や希望、愛を届けることだと思っています。
ミュージカル「MITSUKO」にクーデンホーフ光子役で出演します。副題の『愛は国境を越えて』の通り、民族の壁を乗り越え、国境を越えて助け合わなくてはいけない時だと思います。 私達の住むこの日本が元気に、そして被災地の一日も早い復興を祈りながら、クーデンホーフ光子を一生懸命演じてまいりたいと思います。
(2011.4.15 民団新聞)