辛基秀氏の遺作
【釜山】ドキュメンタリー映画「江戸時代の朝鮮通信使」(48分、79年)がこのほど、釜山で上映された。韓国ではこれが初の公開。
同映画は在日2世の歴史研究者、辛基秀さんが、「朝鮮と日本の善隣友好関係が260年も続いたことをきちんと伝えることで、日本の誤った朝鮮観を正す一助にしたい」と私財を投じて制作した。当時、一部の学者以外には朝鮮通信使の存在がほとんど知られていなかった。その歴史的意義と、華やかな文化交流に映画史上、初めてスポットをあてた。
完成後は故国の劇場での上映を夢見てきたが、02年に食道がんで息を引き取った。代わって娘のイファさん(50)が遺志をかなえた。映画完成から36年目のことだった。釜山朝鮮通信使歴史館では4月25日から1週間。釜山映画の殿堂でも3日に上映された。
(2015.5.13 民団新聞)