「朝鮮通信使」を再現するパレードが2日、釜山の光復路で行われた。韓日国交正常化50周年の今年は、通信使が経由した日本の長崎、山口、静岡など縁地県からも参加、例年以上の規模となった。
釜山文化財団朝鮮通信使祭
両国から1500人
【釜山】江戸時代に朝鮮朝が日本に送った外交使節「朝鮮通信使」の行列を再現するパレードが2日、釜山の光復路一円で開かれた。釜山文化財団主催の「朝鮮通信使祭り」の一環で、韓日国交正常化50年の今年はパレードの他、両国の舞踊公演など多彩な交流イベントが開かれた。
パレードには朝鮮朝時代の装束に身を包んだ市民のほか、日本から長崎県をはじめ、山口県、静岡県などのグループも参加。両国合わせて約1500人が目抜き通りを練り歩いた。通信使が来日する際の最初の宿泊地でもある長崎県対馬市からは15人が日本の武士に扮して行進した。
通信使を率いる「正使」役を務めた俳優のイ・ミヌさんは出発前、「平和を願う両国の先祖の精神を継承したい」と話した。
行列には通信使の再現のほか、東萊野遊仮面劇、多大浦フリソリなどの無形文化財や現代のコスプレ、マーチングバンドなども加わり、沿道の人たちを楽しませた。
祝祭のメーン会場となった龍頭山公園の特設ステージでは、韓日国交正常化50周年を記念し、「信通方通」(信義を通じ互いに同じ方向を見れば通じるという意味)と題した公演が行われた。
韓国の伝統舞踊や農楽をはじめ、山口県の「馬関騎兵隊」「童謡連手鞠」、長崎県の諫早まつりの「のんのこ隊」など、韓日グループのパフォーマンスが続いたほか、両国のグループ70人が一つになって「韓日友好」の旗をふる合同演舞も。
同イベントは、毎年5月に開催している。昨年は旅客船セウォル号沈没惨事のため中止となったが、今年は国交正常化50周年を記念する特別企画が用意され、例年以上の大規模なイベントとなった。
(2015.5.13 民団新聞)