掲載日 : [2020-03-28] 照会数 : 12298
ヘイトスピーチ対策、新法案づくりへ意欲…白眞勲議員
「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」会長として
「ヘイトスピーチ対策法」が成立してまもなく4年。同法は一定の効果をあげ、観音寺市、世田谷区、東京都、国立市、川崎市などで条例制定や改正が進んでいる。一方で禁止規定も制裁規定も被害者救済規定もないため、その実効性には限界も指摘されている。昨年11月に「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」会長に就任し、人種差別を禁止する法整備に意欲を燃やす白眞勲参議院議員(立憲民主党)に聞いた。
「法律はつくっても改善すべきところが出てきたと思っている。オリンピックを開催する国で住民として生活している外国の人に出ていけなんて。外国人をおもてなしする立場で恥ずかしくないかということです」
前任の小川敏時夫参議院議員が参議院副議長に就任したことで昨年11月、議連会長に推された。
「『対策法』ができてヘイトはいけないんだと認知されてきた。ヘイトデモやヘイト街宣が数値的に少なくなったとはいえ、なくなったわけではない。ネットによる匿名の差別書き込みがその典型。これをなんとかしなければならない。なくすための対策が必要。罰則がないのも問題だ。法案の中身はほぼ固まってきたが、さらに煮詰める必要がある。表現の自由を確保しつつ、差別はいけないというバランスをきちんとしていかなければならない」。
「自分の人生は日韓関係そのもの」と振り返る白議員。政治家を志したのも「日韓関係をもっとよくしていこう」ということが動機だった。
「東京・新宿区で成人式をやると外国人が4割を占めると聞いた。内なる国際化が広がっている感じがする。急速にグローバル化していく社会で異質なものを排除しようというのはいただけない。いまこそ共生社会の実現が重要だ。もし、ヘイトがなくなれば参議院議員としての私のような存在は必要なくなるだろう。そんな時代に早くしていきたい」
(2020.03.27 民団新聞)